東京市場まとめ

1.概況


本日の日経平均は反落となりました。14円高の28,277円で寄り付いた日経平均は直後に41円高の28,305円を付けましたが、伸び悩むとマイナスに転じ前引け間際に220円安の28,043円まで下落し215円安の28,047円で前場を終えました。235円安の28,028円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに194円安の28,068円まで戻した後下げ幅を広げると結局300円安の27,963円で取引を終え安値引けとなっています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等


第3四半期決算を発表したアシックス(7936)が15.4%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス禍で密にならないランニングへの関心が高まり国内外でランニングシューズの売り上げが好調だったことなどから通期の営業利益の見通しを270億円から340億円に上方修正したことで買いを集めました。上期決算を発表した医薬品卸大手のスズケン(9987)も9.1%高となりました。希少疾患の治療で使われるスペシャリティー医薬品や新型コロナウイルスの治療薬などの卸売業が好調だったことなどから通期の営業利益の見通しを188億円から249億円に引き上げたことで買いが膨らみました。

一方で上期決算を発表し通期の業績予想を下方修正したDOWAホールディングス(5714)やオリンパス(7733)が大幅安となりました。電気料金の高騰で製錬事業の採算が悪化することや、太陽光発電パネル向け材料の販売が想定を下回ることなどから通期の営業利益の見通しを585億円から470億円に引き下げたことで14.2%下落しストップ安となり年初来安値を更新したほか、オリンパスも内視鏡や処置具に使う部材の調達コストが想定以上に上昇していることなどから通期の営業利益の見通しを2310億円から2120億円に引き下げたことで10.8%安となりました。ソフトバンクグループ(9984)も12.7%安となりました。上期の最終損益が1290億円を超す赤字となったことや自社株買いの発表がなかったことが失望となり下げ幅を広げ、日経平均を1銘柄で181円押し下げています。第3四半期決算を発表したサントリー食品インターナショナル(2587)も11.9%安となりました。価格転嫁や販売量の増加で海外事業が堅調で通期の営業利益の見通しを1255億円から1405億円に引き上げましたが、市場予想並みに止まったことで売りがかさみました。

【VIEW POINT: 明日への視点】    


本日の日経平均は300円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)による利上げペース減速を期待した買いが続き先週末の米国市場が続伸となったことで上昇してスタートしましたが、41円高で上値が伸び悩むと下落に転じ、指数寄与度の大きいソフトバンクグループが急落したこともあり下げ幅を広げました。節目の28,000円を割り込んだことで28,000円を超えたところでの上値の重さがやや意識されそうで、こうしたなかで明日以降に買いが優勢となった場合には28,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはリクルートホールディングス(6098)や3メガバンクなどが決算を発表する予定です。また、明日は寄り付き前の8時50分に日本の7-9月期のGDPが発表される予定で注目されます。