1年で一番お金が動くブラック・フライデー、今年は事前にネット通販などがセールを開始していたこともあり、実店舗における客足は例年に比べ少なかったようです。ネット通販のセール本家である本日のサイバー・マンデーも要注目ですね。

さて、先週とあるテレビの情報番組を見ていたら、前回書きました海外旅行保険にも関係するテーマが取り上げられていました。
もし海外旅行保険に加入するのを忘れ、クレジットカードに海外旅行保険の付帯もなかった時に、運悪く旅行先で怪我や病気などで治療、入院などになった場合、高額な治療費(国によっては医療費が非常に高いです。)は全額自己負担・・・と思われますか?もちろん現地では全額自身で支払う必要がありますし、そのまま帰国して何もしなければ全額自己負担のままです。

帰国後にいくつかの書類の提出、申請等、一定の条件を満たせば健康保険が適用されることはご存知でしょうか?その番組では知らない方がほとんどでしたので、ご紹介しましょう。
海外療養費制度といって、治療目的の渡航や美容整形といったものを除き、不測の事態で治療を受けることになった場合、日本国内での保険診療と同様と認められた場合に対象となります。支給される金額は日本国内で同様の治療、現地の治療いずれか金額の低い方の保険金額です。
必要な書類は

・療養費支給申請書

・診療内容明細書

・領収明細書

・診療内容明細書および領収明細書の和訳

・海外の医療機関に全額治療費を支払った領収書(原本)

・パスポートの写し

等々、加入している健康保険組合によって多少の違いはあるかもしれませんが、概ねこれくらいは必要です。手間はかかりますが、いざ長期で入院などという事態になると大いに助かりますよね。事前に準備してないと現地で必要書類を受け取りそびれてしまいすので、ご注意ください。

もう一つ、海外旅行のお金の話です。
海外旅行の計画では皆さんは安全なところを行先に選びますよね。通常であれば人気の渡航先であるパリが、テロ、それに続く非常事態宣言発令による厳戒態勢など、思いがけないことも起こりえます。そうなると、旅行自体のキャンセルを考える方もいらっしゃるでしょう。
ツアーの場合、旅行会社によって違いはあるかもしれませんが、旅行1カ月前くらいからキャンセル料が発生するようです。今もし2週間後のパリ行のツアーをキャンセルするとどうなるでしょう?非常事態状況だからキャンセル料はかからない?
いいえ、残念ながらすでに現地の大半のホテルや飲食店が通常営業を再開し、外務省の渡航注意エリアではないパリの場合、キャンセル料がかかってしまうのです。

海外旅行におけるリスク管理として、事前に知っておくことで余計にお金を払わずに済むこともあります。自分でできることは準備しておきたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員