先週末、またしても卑劣な、許しがたいテロ行為がパリで起こりました。犠牲になられた方々には心から哀悼の意を表したいと思います。

以前は海外旅行に行く場合、危険地域(国)に行かない、有名な観光地であっても一人で行くべきでないエリアを心得る、身の回り品から目を離さない、むやみに人を信じてついていかない(騙されないようにする!)...等々の注意すべき情報をガイドブックなどから入手でき、若者がバックパック一つで旅行するにせよ、ツアーに参加するにせよ、そうした注意事項に従っていれば、悪くてもスリに遭うくらい(それも十分困りますが・・・)で、命まで奪われることはほぼないはずでした。
世界的な観光都市、多くの観光客やごく普通の(つまり良からぬことを企むことのない)人々が集うエリアでの無差別なテロが、ここ1~2年増えてきていますよね。テロ組織が勢力をもっているエリアに出かけるわけではなくとも、彼らの標的になりえる時代になってしまいました。今回は日本人には犠牲者は出なかったようですが、いつ何があってもおかしくないということです。

投資の世界がボーダーレスになったのと同様、海外旅行も非常に身近な今、テロに遭遇する可能性もボーダーレスになってきています。国内外を問わずに危機意識をもち、リスク管理をする必要がありますね。
投資においてのリスク管理の一つの方法は分散投資であり、その分散先の各国情報にも注意が必要なことはよくご存じだと思います。
生身の人間のリスク管理については前提としては前述したような注意事項を忘れずに命を守ることが何より必要はあるものの、海外旅行先で何かに巻き込まれてしまい、怪我をして病院に行ったり、携行品を失ってしまったり・・・といった場合はどうしても想定しておく必要はあります。そこは、やはり海外旅行保険には加入しておくことが役に立ちますね。

海外旅行保険は出発前の空港でも簡単に加入できますが、できれば事前に保有のクレジットカードに海外旅行保険が付帯していないか、旅行代金(もしくは交通費の一部)を支払った時のみに有効なのか、それとも保有しているだけで有効なのか等を確認しておきましょう。金額や有効な範囲の認識しておくことも安心につながります。
それらの確認をすることで、慌てて空港で加入して、気が付かずに無駄に二重に保険をかけるということは防げます。パスポートのコピーもとっておき、身に着けておけるようにしておくことも必要ですね。

もちろん私は海外旅行の専門家ではありませんが、旅行好きであり、一人旅をすることも多いので、それだけに神経質なくらい警戒するようにしています。ところが海外では頼れる添乗員さんがいて気が緩むのか、危ないなぁと感じる日本人旅行者を見かけることもよくあります。
どこにいても、何に対しても自身を守ることが手薄になってしまうことのないようリスク管理をするようにしたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員