3つの窓が発生、三空(サンクウ)でトレンド転換か
前回のコラムでは「200日移動平均線が下向きのままで推移している」ことから、「75日移動平均線を下回るとともに200日移動平均線も下回って戻せなくなってしまうようですと、グランビルの法則の売りシグナルが発生することになり、場合によっては7月19日と20日の間にあけた窓を埋めることになるかもしれません」と解説しました。
そして解説した通り、75日移動平均線を下回って戻せなくなると200日移動平均線も下回り、グランビルの法則通り売りシグナルが発生すると、7月19日と20日にあけた窓の水準も下回り、9月27日現在では日経平均が27,000円を割り込んで推移しています。
このように、75日移動平均線や200日移動平均線といったサポートを割り込むと、解説した通り下落が加速してしまうことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、この下落の間に3つの窓が新たに発生しているのが分かります。一般的には3つ連続して窓が発生すると、「三空(サンクウ)」と言って意味を持たせ、「売り向かえ」とか、「買い向かえ」と言ったりして、上昇や下落が止まる兆しとしています。
今回発生した3つの窓は三空ではありますが、トレンド転換につながるものと言えるのでしょうか。また、どの窓と判断するかが今後の値動きを考える上で重要になるのではないかと思われます。
私は、三空ではあるものの3つの窓はコモンギャップ(=普通の窓)と考えており、一時的に下落が止まっても、下降トレンドの流れは変わらないと考えています。理由は、過去の値幅の範囲内で発生している窓だからです。
一時的に下げ止まる場面があったとしても、トレンドが転換するためにはクリアしければならない条件がいくつかあります。
トレンドが反転するための条件とは?
では、トレンド反転するための条件を解説します。1つは5日移動平均線上を回復して維持する必要があります。5日移動平均線を上回って維持できなければ、下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になって押し返される状態が続き、大きなレンジの下限の水準である25,700円台に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。
そして、もう1つの条件は9月末に本決算や中間決算などを迎える企業の権利落ち分を埋めることができるかどうかになります。9月28日は権利付最終売買日となり、翌29日は配当(予想)や優待の権利が落ちます。優待は株価に反映されませんが、配当(予想)については配当落ちの分だけ、日経平均株価が下落して始まります。
配当落ち分の価格は224円程度と予想されていますが、9月29日は、28日の終値からこの予想配当分が差し引かれてスタートするため、チャート上でも株価が自動的に下落することになるのです。これは、224円分の窓が発生することになるため、この窓を埋めるためには、224円以上値上がりする必要になります。
このような条件をクリアして、はじめて5日移動平均線上を回復することになるため、今週末の株価水準と5日移動平均線上を回復できるのかが要注目と言えるのです。
仮に配当落ち分を埋められない時や5日移動平均線下回った状態が続いた場合は、下落の継続に注意が必要です。