窓の発生と窓埋めが頻繁に起こるときは、方向性がはっきりしないことを示す

前回のコラムでは、3つの窓が連続して発生したことから「三空」ではないかと解説し、3つ目の窓の種類についてはエグゾーションギャップ(=消耗する窓)ではないかと解説しました。

また、エグゾーションギャップだった場合の値動きについても解説しましたが、結果を見ますと、一気に株価が反転する結果となったことに加え、窓を4つも埋める結果となっています。そのため、予測した通りエグゾーションギャップだったことが分かります。

さらに今回の反落によってレンジの上限を下回ってしまい、再び75日移動平均線や200日移動平均線に接近して終えています。このように、窓が頻繁に発生すると同時に窓埋めも頻繁に起こる場合は、株価の方向性が定まっていないことになるため、トレンドが発生していないことを示していると考える必要があります。

例えば、今回のように大きなレンジを上抜けたところで窓が発生した場合でも、窓をあけて上昇しているのだからレンジを上放れたと解釈する人がいるかもしれません。

しかし、前回のコラムで解説したように、窓が発生した水準や窓の数などをしっかり確認していれば、エグゾーションギャップである可能性に気付いて高値掴みを避けることができたのではないでしょうか。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

グランビルの法則が当てはまるのか要注目

では今後の値動きについて考えてみましょう。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合などが予定されており、金融政策の結果次第では株価が上下に大きく変動することが考えられます。

特に日経平均は底堅い値動きを続けていると考えている投資家が多いかもしれませんが、テクニカル分析上は上向きの75日移動平均線を下回ってしまうようですと、海外の株価の下落を追いかける形で大きな下げになるかもしれません。

なぜなら、200日移動平均線が下向きのままで推移しているためです。そのため、75日移動平均線を下回るとともに200日移動平均線も下回って戻せなくなってしまうようですと、グランビルの法則の売りシグナルが発生することになり、場合によっては7月19日と20日の間にあけた窓を埋めることになるかもしれません。

その一方、75日移動平均線を取引時間中に割り込むことがあっても、終値で維持するようですと、200日移動平均線上も維持することになり、200日移動平均線が上向くことも視野に入ってくるのではないかと思われます。

今週は、日米の金融政策発表後に75日移動平均線上を維持できるかが今後の株価動向を考える上で重要になると思われます。そのため、売買は慎重に行うようにしたいところです。