東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は7日続伸となりました。日経平均は29円安の27,773円で寄り付くと直後に101円安の27,701円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し9時30分前にプラスに転じると10時40分過ぎに107円高の27,910円まで上昇し67円高の27,870円で前場を終えました。
81円高の27,884円でスタートした後場の日経平均は14時前に149円高の27,952円まで上昇すると結局111円高の27,914円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
コンテナ船市況や荷動きが期初想定を上回って推移していることに加え、円安の進行もあり大手海運3社が通期の業績予想を揃って上方修正したことで大幅高となりました。日本郵船(9101)が通期の経常利益の見通しを7600億円から1兆400億円に引き上げたことで4.0%高となり、商船三井(9104)も通期の経常利益の見通しを5250億円から7100億円に上方修正したことで2.9%高となりました。川崎汽船(9107)も通期の経常利益の見通しを4700億円から7000億円に引き上げたことで11.3%高となっています。
オービック(4684)も3.9%高となりました。主力の統合基幹業務システム(ERP)が好調で、顧客数が増えたことでシステム利用に伴うクラウドの利用料収入も増えたことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で18.4%増となったことで大幅高となりました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがコスモス薬品(3349)やしまむら(8227)で、コスモス薬品は目標株価の引き上げを受けて3.6%高となり、しまむらは投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時2.9%高となっています。
一方でジャフコグループ(8595)が一時6.3%安となりました。昼休み時間中に第1四半期の決算を発表しましたが前年同期に国内外で4社あった新規株式公開(IPO)が1社に止まったことで営業利益が前年同期比で97.2%減と大幅な減益となったことで後場寄り直後に下げ幅を大きく広げる場面がありました。東京電力ホールディングス(9501)も8.3%安となりました。電力各社は国の燃料費調整制度にのっとり燃料の輸入費の増減分を一定の範囲で料金に転嫁できるものの、東京電力ホールディングスでは9月にも上限に達する見込みで一部の契約で燃料高を自動で料金に転嫁できなくなると伝わったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は111円高となりました。昨日までの6日間で1,500円近く上げていたこともあり売りが先行しました。しかし、朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスに転じました。利益確定の売りが出やすいなかでずるずる下げることなく切り返し上げ幅を三桁に広げ27,900円台に乗せてきたことから節目の28,000円の回復が期待されますが、25日移動平均線(26,598円)との乖離率が5%近くまで開くなかで週明けも引き続き堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、3月決算企業の第1四半期決算発表が今週からスタートしていますが本日も引け後に東京製鉄(5423)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時45分には7月の米PMI速報値が発表されるほか、22日の米国ではアメリカン・エキスプレス(AXP)やベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)