【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,990.12  ▼222.84 (5/31)
NASDAQ: 12,081.39  ▼49.74 (5/31)

1.概況

米国市場は欧州連合(EU)がロシア産石油の輸入禁止で合意したことで米原油先物価格が一時2ヶ月半ぶりの高値を付けたことからインフレ懸念が高まったことや、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が2%の物価目標に近づくまで0.5%の利上げを選択肢から排除しないと述べたこともあって反落となりました。52ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に460ドル安まで下落した後持ち直すと午後に入ってプラスに転じましたが、27ドル高で伸び悩むと再びマイナスとなり下げ幅を広げ結局222ドル安の32,990ドルで取引を終え7日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の12,081ポイントとなり4日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比21.2%上昇と過去最高の伸びとなり市場予想を上回りました。5月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も60.3と前月から上昇し市場予想を上回りました。5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も106.4と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーと素材、公益事業、ヘルスケア、不動産が1%以上下落しました。一方で一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース(CRM)が3%近く下げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とシェブロン(CVX)、コカ・コーラ(KO)も2%以上下落しています。また、ホーム・デポ(HD)が2%近く下げ、ダウ(DOW)とハネウェル・インターナショナル(HON)、シスコシステムズ(CSCO)、メルク(MRK)も1%以上下落しました。一方でナイキ(NKE)が2%を超える上昇となり、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%高となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて2%を上回る上昇となりました。電気自動車のリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)も目標株価の引き上げを受けて1%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い2.84%となりました。ドル円は128円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)