シーゲイト・テクノロジー・ホールディングス(STX)決算:一株利益は1.81ドルで市場予想を下回る
シーゲイト・テクノロジー・ホールディングスは、企業・消費者市場向けデータストレージのためのハードディスクドライブ(HDD)の大手サプライヤーである。同じく垂直統合モデルで事業を展開する主要なライバルであるウェスタン・デジタルと2社で実質的に市場を独占している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比2.6%増の28.02億ドル(市場予想は28.09億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.81ドル(市場予想は1.89ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を下回った。続く第4四半期の売上高ガイダンスレンジも予想を下回った。
今後の株価見通し
同社株はベアトレンド下にある。90ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
アッヴィ(ABBV)決算:一株利益は3.16ドルで市場予想を上回る
アッヴィは、免疫学や腫瘍学分野に主軸を置く製薬会社である。現在、主力製品であるヒュミラによる利益が全体の利益の過半を占める。2013年初頭にアボット・ラボラトリーズから分社化された。最近のアラガンの買収によって、審美および女性医学分野での新薬が追加された。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比5%増の135.38億ドル(市場予想は136.32億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.16ドル(市場予想は3.14ドル)
売上高が予想を下回った。通期のガイダンスも公表しており、1株利益の見通しを下方修正している。
今後の株価見通し
今回の決算は不振だった。のう胞性線維症治療薬の開発が中期の試験で目標に届かず中断したことも悪材料となった。決算発表日の株価は29日に6%強下落している。当面底値模索の動きを続けるだろう。しかるに、リンボク、スカイリジをはじめとする新薬は順調に育っており、深押しはなかろう。
TモバイルUS(TMUS)決算:一株利益は57セントで市場予想を上回る
TモバイルUSは、2013年にドイツテレコム傘下のTモバイルUSAと、プリペイド(料金先払い)通信サービスを専門とするMetroPCSの合併により誕生した。合併後、主要市場で全国的なサービスを提供していたが、至るところ普及に偏りが見られた。
広範な地域をカバーするのに適した低周波数スペクトラムに積極的に投資し、地理的に事業ネットワークを大幅に拡大してきた。積極的なマーケティングおよび革新的なサービスの提供と相まって、顧客基盤は急速に拡大した。スプリントを買収したことで、現在の事業規模は競合他社とほぼ肩を並べるまで拡大した。
ポストペイド(料金後払い)契約顧客数は、7,000万人、プリペイド(料金前払い)契約顧客数が2,100万人にのぼり、リテイル携帯電話市場で30%近いシェアを有する。さらに、再販業者にもホールセール・サービスを提供している
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比2%増の201.20億ドル(市場予想は201.18億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・57セント(市場予想は26セント)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。22年度通年ベースポストペイド端末契約者純増減は予想を上回った。また、同調整済みEBITDAガイダンスレンジを引き上げたが、予想を下回った。
今後の株価見通し
スプリントとの合併実現によって、重複するコストの削減に加え、Tモバイルは次世代通信規格5G向けの周波数帯免許が得られる。5G関連の出世株となろう。135ドル超えから150ドルを目指す展開が見込まれる。
KLA(KLAC)決算:一株利益は5.13ドルで市場予想を上回る
KLAは、半導体産業のための歩留まり管理、プロセス監視診断、制御システムの設計および製造を手掛ける。
システムは、半導体開発の様々な段階で製造プロセスを分析するために使用される。レーザースキャニング製品は、ウエハーの認定、プロセスモニタリング、および装置モニタリングに使用される。
また、光学計測および電子ビーム計測のための検査ツールおよびシステムを提供する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比27%増の22.9億ドル(市場予想は22.1億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・5.13ドル(市場予想は4.82ドル)
売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。続く第4四半期の売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。
今後の株価見通し
今回の決算内容は、予想を上回ったが、市場は先行き景気に懸念を持っている。一方で、猛烈な利上げサイクル到来観測も出ており、長期金利上昇に歯止めがかかるまで、模様眺めの展開が続きそうだ。
IQVIAホールディングス(IQV)決算:一株利益は2.47ドルで市場予想を上回る
IQVIAホールディングスは、世界有数の受託研究機関であるQuintilesと、主要な医療データおよび分析プロバイダーであるIMS Healthの2016年の合併により誕生した。
研究・開発部門では、主に医薬品、医療機器、診断薬企業に対する後期臨床試験の受託研究の提供に焦点を当てている。テクノロジー・アナリティクス部門では、製薬会社、プロバイダー、支払者、政策担当者を含むヘルスケア業界のクライアントに総合的な情報および技術サービスを提供する。
仮想試験を含む臨床試験のためのデータや分析の提供も可能となっている。小規模契約販売事業も手掛ける。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比5%増の35.68億ドル(市場予想は35.40億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.47ドル(市場予想は2.42ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第2四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジはともに予想を下回った。22年度通年ベース売上高ガイダンスレンジは予想を下回ったが、調整済みEPSガイダンスレンジは予想の範囲内だった。
今後の株価見通し
次の四半期のガイダンスが弱かった。当面底値模索の動きとなろう。