今週の相場について、通り一遍の見通しを記せば、「日本のゴールデンウイーク中(5月3~4日)に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見機運が強まり動きにくい展開」となるだろう。ただ、それは決して相場が崩れるという意味ではない。ここ2週間余りの日経平均の推移を見ると、下に押したところでは2万6500円近辺で押し目買いが入り、2万7500円近辺では上値が重くなるといったレンジ相場で、2万7000円の節目が相当程度、意識されているようである。週明けは先週末の米国株の大幅安を受けて売り先行で始まるだろうが、これまでの動きを参考にすれば2万6000円台後半では下げ渋るだろう。

来週5月3~4日のFOMCでは利上げ幅拡大や保有資産の縮小が見込まれているが、ほぼ織り込み済みのため、想定通りなら材料出尽くしとなってアンワインドの動きが出やすい。そのような状況では弱気方向にポジションを傾けてGW入りする投資家はいないだろう。

FOMCを控えて金融政策に関する発言ができないブラックアウト期間に入るため、FRB高官のタカ派発言で相場が荒れることもなくなるだろう。よって、これまで株式相場は軟調となってきただけに、むしろFOMC前にはポジションをニュートラルに戻そうと買い戻しの動きで堅調に推移するのではないか。

今週は決算発表前半の佳境を迎える。主力企業では26日にファナック(6954)、日東電工(6988)、キヤノン(7751)、野村(8604)、JR東海(9022)、27日にエムスリー(2413)、信越化(4063)、アステラス(4503)、OLC(4661)、ルネサス(6723)、アドバンテスト(6857)、キーエンス(6861)、JR東日本(9020)、28日にコマツ(6301)、日立(6501)、NEC(6701)、デンソー(6902)、レーザーテック(6920)、村田製(6981)、商船三井(9104)、ANA(9202)などが決算を発表する。

決算発表が佳境を迎えるのは米国も同じで、いよいよGAFAMの決算発表がある。それらに加えて、キャタピラー(28日)、ボーイング(26日)、コカ・コーラ(25日)、マクドナルド(28日)、ツイッター(28日)半導体のインテル(28日)、マスターカード(28日)やビザ(26日)などが予定されている。

波乱材料は27~28日の日銀金融政策決定会合だ。市場では日銀がフォワードガイダンスなどで緩和策の修正を図るとの観測もあるが、果たしてどうか。黒田総裁の発言からすれば緩和策は継続、おそらく現状維持だと予想する。そうなった場合、一段と円安が進み、130円突破もあり得るだろう。それも日本株の支援材料となるだろう。サブシナリオの位置づけだが、日銀が緩和策を微調整すれば円高となり、日本株の売り材料となりかねないことには要注意。

今週も2万6500円~2万7500円のレンジ相場継続と予想する。