東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。日経平均は175円高の25,338円で寄り付くと取引開始から20分弱で468円高の25,631円まで上昇しましたが、伸び悩むと大引け間際に165円高の25,327円まで上げ幅を縮め174円高の25,337円で前場を終えました。217円高の25,379円でスタートした後場の日経平均は12時50分に136円高の25,299円まで上げ幅を縮めた後13時20分過ぎに290円高の25,452円まで戻しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局145円高の25,307円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数がわずかに下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

117円台後半まで進んだ円安を受けて自動車株が買われました。トヨタ(7203)が一時3.7%高となったほか、日産(7201)が一時2.9%高、マツダ(7261)も一時5.0%高となりました。岸田首相が観光需要喚起策のGo Toトラベルについて適切な時期が来たら迅速に再開できるように政府としても準備は進めていきたいと語ったことから旅行・レジャー関連株も高く、エイチ・アイ・エス(9603)が7.5%高、エアトリ(6191)が9.1%高、オープンドア(3926)が13.1%高、JR東日本(9020)が3.0%高、JR東海(9022)が3.3%高、JR西日本(9021)も4.8%高となりました。

第3四半期決算を発表した美顔器のヤーマン(6630)も16.7%上昇しストップ高となりました。ブランディング広告や新製品開発等の諸施策の成果により通期の営業利益の見通しを64億円から70億円に上方修正したことで買いを集めました。光学ガラス大手のオハラ(5218)もミラーレスカメラの交換レンズ向け需要が堅調に推移することから通期の業績予想を上方修正したことで17.6%高となっています。また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが日揮ホールディングス(1963)や三井不動産(8801)で、日揮ホールディングスは投資判断と目標株価の引き上げを受けて14.9%高となり昨年来高値を更新し、三井不動産も目標株価の引き上げを受けて4.6%高となっています。

一方で業務用ヘアケア剤メーカーのミルボン(4919)が株式の売出しを発表したことで需給悪化を懸念した売りが出て12.5%安となり昨年来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は145円高となりました。117円台後半まで円安が進み輸出関連銘柄を中心に買いが入ったことや、ウクライナを侵攻したロシアが停戦に前向きな姿勢を示したと伝わったことで買いが優勢となりました。しかし、一時は460円以上上昇し節目の25,500円を超えて25,600円台まで上げ幅を広げましたが、朝方の買いが一巡すると伸び悩みました。ウクライナ情勢などに一喜一憂し荒い値動きが続いていることから上値追いに慎重な見方も根強いということなのでしょうが、こうしたなかで明日以降も引き続き戻りを試すことができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)