今週の日本株相場は堅調な展開か。理由は2つある。先週末のストラテジー・レポートで指摘した通り、決算発表が進展するにつれて日本企業の業績が良好であることの認識が広がってきた。これが相場の下支え要因のひとつとなるだろう。もうひとつは、米国の金融引き締めについても市場の織り込みが進み、耐性がついてきたことだ。先週末に発表された米国の強い雇用統計を受けて、長期金利が大きく上昇した。市場では3月の利上げを50bpsと見込む予想が急速に広がったが、それでも米国のハイテク株は上昇した。金融引き締め局面でも好業績株は買えるということを示したと言えるだろう。

今週の注目イベントは10日に発表される1月の消費者物価指数(CPI)だ。市場は前年同月比で7.3%の上昇を見込んでいる。39年ぶりの高い伸びとなった昨年12月(7%上昇)をさらに上回る予想だが、前回もそうであったように予想の範囲内に収まれば大きな波乱はないだろう。

今週は決算発表のピークを迎える。10日には最多の400社超が決算を発表する。7日はNTT(9432)やダイキン工業(6367)、8日はソフトバンクグループ(9984)やJFEホールディングス(5411)、9日はトヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、富士フイルム(4901)やSUMCO(3436)、10日は東京エレクトロン(8035)などが注目される。

今週は11日が祝日のため休場になる。そのため10日が日経平均オプション2月限の特別清算値(SQ)算出日となる。相場が想定通り堅調に推移した場合、その晩のCPI発表とその後の3連休を控えて10日にはポジション調整の動きから手仕舞い売りが膨らむ可能性を警戒しておきたい。また、CPI発表と3連休という要因は多くの投資家を様子見姿勢とさせるだろう。投資家不在で板が薄くなるなか、少しの売りで値が飛びやすいことには注意が必要だ。

日経平均の今週の予想レンジは2万7000円~2万7800円。25日移動平均が2万7000円台後半に下降してきており、上値抵抗線として意識されやすいだろう。