東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。73円安の28,995円で寄り付いた日経平均はまもなくしてプラスに転じましたが、37円高の29,106円で伸び悩むと再びマイナスとなり下げ幅を広げ11時過ぎに339円安の28,729円まで下落し259円安の28,809円で前場を終えました。241円安の28,827円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに180円安の28,888円まで持ち直した後やや下げ幅を広げましたが、引けにかけて下げ幅を縮めると結局162円安の28,906円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期の決算を発表したJ.フロント リテイリング(3086)が7.4%高となりました。政府の緊急事態宣言が全面解除となったことで客足が回復し、主力の百貨店事業が9-11月期に5四半期ぶりに営業黒字となったことが評価されました。上期決算を発表したウェザーニューズ(4825)も7.3%高となりました。ソフトウエア開発の内製化や適正化でコストの削減が進むことなどから通期の営業利益の見通しを26億円から28億円に引き上げたことが好感されました。京都銀行(8369)も7.7%高となりました。株主還元について配当性向30%を目安とする従来の方針を改め総還元性向50%を目安にすると発表したことで積極的な株主還元姿勢を好感した買いが入りました。東レ(3402)も一時2.0%高となりました。電気自動車の充電時間を従来よりも半減できる急速充電に対応した自動車部品材料を開発したと伝わったことが材料視されました。

ジャスダック市場では出前館(2484)が11.2%高となりました。未収入金や未払い金の残高に誤りがあったことなどから2021年8月期の有価証券報告書の提出期限の延長を関東財務局に申請していましたが、昨日の引け後に有価証券報告書と決算短信を訂正したと発表したことで悪材料出尽くしとなり買いを集めました。

一方で配当落ちの影響で12月決算銘柄に大きく下げるものが目立ち、JT(2914)が2.7%安、ブリヂストン(5108)が3.1%安、AGC(5201)が3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は162円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいこともあって売りが優勢となりました。朝方に小幅に上昇する場面もありましたが、伸び悩み上値の重さを確認すると利益確定や戻り待ちの売りが出て節目の29,000円を割り込んで下げ幅を広げました。2021年の取引も明日の大納会で最後となります。それだけに上昇を期待したいところですが、仮に買いが優勢となった場合には節目の29,000円を回復して取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)