スリーエム(3M)(MMM)決算:一株利益は2.45ドルで市場予想を上回る

企業概要

スリーエム(3M)は、1902年創業の多国籍コングロマリットである。創業当時の社名はミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニーであった。優れた研究開発力で知られ、様々な製品カテゴリーでその科学技術力を活用している。2020年現在、事業は、セーフティ&インダストリアル、輸送&エレクトロニクス、ヘルスケア、およびコンシューマーの4部門で構成されている。売上高の約50%を米州外の市場が占めている。部門別では、セーフティ&インダストリアル部門の正味売上高の大半を占めている。6万種類を超える製品の多くは、多くの消費者および産業にとって欠かすことができない製品となっている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比7%増の89.42億ドル(市場予想は86.76億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.45ドル(市場予想は2.22ドル)

2021年通期ガイダンス

★売上高成長率・・・9-10%(従来予想は7-10%)

★1株当たり利益・・・9.70-9.90ドル(従来予想は9.70-10.10ドル、市場予想は9.82ドル)

7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジの上限を引き下げ、予想を下回った。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

株価チャートは以下の通りベアトレンド下にある。185ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ロッキード・マーチン(LMT)決算:一株利益はドルで市場予想を上回る

企業概要

ロッキード・マーチンは、世界で最大規模の防衛システム開発・製造企業である。2001年に米国国防総省と「最新鋭ステルス戦闘機F-35」プログラムの契約を締結後、欧米市場の次世代戦闘機開発で支配的地位を維持している。同社の最大部門である航空機部門は、F-35プログラムを主な事業とする。その他の事業部門には、シコルスキー・ヘリコプター事業を展開するロータリー・ミッションシステム部門、ミサイル・ミサイル防衛システムの製造を手掛けるミサイル・射撃統制部門、衛星の製造、および、衛星の打ち上げ・サービスを提供する合弁会社United Launch Alliance(ULA)からの持分利益が計上される宇宙部門がある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比2.8%減の160.28億ドル(市場予想は171.36億ドル)

★1株当たり利益(継続事業ベース)・・・2.21ドル(市場予想は1.97ドル)

★純利益・・・前年同期比65%減の6.14億ドル(市場予想は5.57億ドル)

2021通期ガイダンス

★売上高・・・670億ドル(従来予想は673-687億ドル、市場予想は683.3億ドル)

★1株当たり利益・・・22.45ドル(従来予想は21.95-22.25ドル、市場予想は22.21ドル)

7-9月期(第3四半期)売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。2021年度通期ベース売上高ガイダンスレンジを引き下げ、予想を下回った。同調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

今回のガイダンスはF-35戦闘機の生産縮小が業績にどのように影響するかを始めて垣間見せており、同社は2022年の減収を予想している。不振決算を受け、当面底値模索となろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

スターバックス(SBUX)決算:一株利益は1ドルで市場予想を上回る

企業概要

スターバックスは、世界で最も認知度の高いレストランブランドの一つである。2021年6月時点で、世界83ヶ国で33,300店舗を運営している。事業は、米州、海外市場、(小売)チャネル開発の3部門で運営されている。主な収益は、直営店から生み出される。ロイヤリティ、機器・商品のライセンス先への販売、レディトゥドリンク類、入れたてコーヒー、シングルサーブコーヒー製品の販売などが追加的な収益源となっている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比31.5%増の81.5億ドル(市場予想は82億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.00ドル(市場予想は99セント)

7-9月期決算は、純利益が前年同期の4.5倍の17億6400万ドル(約2000億円)となった。店内飲食の再開などで既存店売上高が同17%伸びた。韓国の合弁事業の持ち分の売却益も寄与した。人手不足を解消するため米国で賃上げを実施する。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

世界の既存店売上高が市場予想を下回った。中国での新型コロナウイルス感染再拡大に伴う店舗閉鎖などの影響が重しとなった。当面底値模索の動きとなろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

サービスナウ(NOW)決算:一株利益は1.55ドルで市場予想を上回る

企業概要

サービスナウは、さまざまなビジネス工程を構築し自動化するための製品を備えたクラウド・アプリケーション(ソフトウェア・アズ・ア・サービス/SaaS)を提供する。企業向けのIT機能の開発に特化している。ITサービス管理(ITSM)アプリケーションから事業を始め、IT機能を拡充した後、近年では、自社のワークフロー自動化ロジックを活用し、カスタマー・サービス、人事管理サービス、セキュリティ運営サービスなどITを超えた機能分野へと事業を拡大している。また、アプリケーション開発のためのクラウドベースのプラットフォーム(PaaS)も提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比31%増の15.1億ドル(市場予想は14.8億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.55ドル(市場予想は1.39ドル)

第3四半期売上高、調整済みEPS、ビリングの伸び率は全て予想を上回った。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるビジュアルタスクボードで、業務の優先度付けや割り当てを処理できるわかり易さが評判となっており、ITSM(ITサービスマネジメント)ベンダー比較では市場リーダーとして評価されている。今回の決算でも、増収率、ビリングスの伸び率など、相変わらず高い。ただし、決裁発表日の引け後の時間外取引では、利益確定売りが先行した。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

KLA(KLAC)決算:一株利益は4.64ドルで市場予想を上回る

企業概要

KLAは、半導体産業のための歩留まり管理、プロセス監視診断、制御システムの設計および製造を手掛ける。システムは、製品開発の様々な段階で製造プロセスを分析するために使用される。レーザースキャニング製品は、ウエハーの認定、プロセスモニタリング、および装置モニタリングに使用される。また、光学計測および電子ビーム計測のための検査ツールおよびシステムを提供する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比35%増の20.8億ドル(市場予想は20.4億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.64ドル(市場予想は4.51ドル)

第2四半期(10月-12月期)ガイダンス

★売上高・・・22.3-24.3億ドル(市場予想は22.3億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.95-5.85ドル(市場予想は5.14ドル)

第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第2四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。27日は340.57ドルで引けた後、時間外取引では350ドル台で推移した。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

 

今後の株価見通し

ほぼ全ての産業でDX化が進む中、従前からみられたシリコンサイクル(半導体需給の波)とデジタル革命進展に伴う需要拡大(グレートサイクル)で、半導体、半導体製造装置株は、かつてない業績相場の様相を呈してきた。更なる上値追いが見込めよう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション