大手銀行株の好決算がマーケットを牽引

先週のS&P500は1.8%上昇、ナスダック総合も2.2%上昇しました。マーケットの上昇要因は、米国企業の第3四半期の決算発表が堅調なためです。
 
先週末まででS&P500社のうち41社が決算発表を終えました。事前予想では今期のEPS(1株当たり利益)は前年比28.4%増でしたが、現時点でそれをはるかに超える40.5%増という結果になっており、82%の企業が事前予想を超える決算内容を発表しています。
 
その中でも先週のマーケットを活気づけたのが大手銀行の決算発表でした。S&P500の61の金融機関のうち13社の企業が決算発表を行いました。その結果は前年同期比で43.9%の増益であり、92%の企業が事前予想を上回りました。
 
先週はその13の金融機関のうち、JPモルガン(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、モルガン・スタンレー(MS)といった米国の主要銀行持ち株会社の好決算がマーケットを牽引しました。

銀行株好調の背景は?

銀行株は2021年に入り10年債利回り上昇の恩恵を受け、堅調に推移してきました。そのため、今回株価を上げるような好決算を発表するのは難しかったのですが、事前予想をはるかに上回る内容を発表しています。

10月13日から15日までにS&P500が2.5%上昇するなか、JPモルガンの株価は3.5%、バンク・オブ・アメリカの株価は7.5%、シティグループは2.9%、モルガン・スタンレーは3.6%上昇とマーケット全体をアウトパフォームしました。
 
銀行の決算が堅調だったのは、FICC(債券、為替、コモディティのトレーディング)、株式のトレーディング、投資銀行部門のビジネスが予想を上回ったことに加え、商業銀行業務では融資の質が改善したことなどが理由となっています。
 
今週はS&P500採用銘柄のうち、75社の決算発表が予定されています。