本日の日本株のマーケットは売り先行で始まり、これまでの上げスピードが速かった分、調整色が濃くなっているようです。
とはいえ、世界のマーケットは昨年の秋からの悲観色からは脱しつつあることは、各種経済指標などでも示されており、各国の要人の発言でも、多少のタイムラグは致し方ないものの世界的に株価がボトムアウトしてきていると受け取れるものです。

そんな中で、先進国の中では急ピッチで回復基調となってきているといえるのがオーストラリアではないでしょうか。
7月後半以降に順次発表された6月住宅建設許可件数、NABのQ2企業信頼感指数、7月の雇用統計は軒並み予想以上の好結果となっています。
資源輸出国であるオーストラリアにとっては資源市場の回復も、経済回復の背景として大きな役割を担っているといえるでしょう。また、いち早く回復が鮮明となってきている中国はオーストラリアからの輸出先としては、今や1位の日本をしのぐほどとなってきており、(ちなみに輸入相手国としては1位です。) 中国の回復・成長はそのままオーストラリア経済を後押しすることとなります。

さて、最近では情報のスピードは機関投資家も個人投資家も大きな差はなくなってきています。その分、個人投資家の動きはかなり迅速なものとなっていて、プロの投資家も個人投資家の動きをチェックするようになってきているということです。そんな個人投資家の注目すべき動きの1つが先週末某ニュースにありました。
『FXで「買い」が加速度的に増加 豪ドルや南アランドの「高金利」に注目』というニュースです。オーストラリアと南アフリカはともに資源国であり、他の国と比べて政策金利も比較的高めです。
昨年のリーマンショック以前にも、そうした高金利通貨買いという動きは活発にありましたが、その後の世界的経済の急落と為替の不安定な動きからそうした動きは一時下火になりました。しかし前述したような景気回復が見られ始めると、その動きの回復は急速です。世界でもっとも金利の低い日本との金利差は他国との差以上に大きく、クロス円(対円レート)を保有することの魅力は、今再び注目されているといえるでしょう。

市場の動きというのは、経済が回復し、民間や個人消費レベルまで回復が実感するのを待っていては遅すぎてしまうという傾向があります。回復の芽を見たら、すかさず動き出すことで、値動きの激しいマーケットのトレンドに乗ることができるのです。

もちろん、そうした素早いマーケットの流れに乗るだけが、投資ではありません。中長期的に見て、「回復」「上昇」と判断できれば、長い目で見て「仕込み」をしておくことも十分効果があります。

今後の長期的な経済回復=為替レートの段階的な上昇を期待するのであれば、通貨の上昇期待もこめ、かつ固定リターンを得られる債券投資をしたり、株式市場の回復に期待して投信の購入をすることもそうした上昇トレンドを期待する投資といえるでしょう。

オーストラリアの経済についてチーフ・エコノミスト村上尚己が語る >>http://www.monex.co.jp/Etc/topslide/guest/G800/new2009/news908b.htm
本日販売開始! トヨタモータークレジットコーポレーション豪ドル建社債 年率5.48%(税引前) 期間3年 >> http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news908l.htm?scid=top_news

豪ドル/円のスプレッドを「期間限定」で5銭から最低4銭~に縮小 >> http://www.monex.co.jp/Etc/topslide/guest/G800/new2009/news908b.htm
廣澤 知子

マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザー