最近よく耳にする流行語のひとつに「婚活」があります。就職活動を略して「就活」といいますが、同様な略語で「結婚活動」をさします。ドラマのタイトルになったりしましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 この婚活に関しては、年齢制限があるわけではないので、40歳前後のアラフォーと言われる世代も多くいますが、その中心となるのは30歳前後のアラサー世代のようです。

婚活中の人とそうでない人、同じシングルでも考え方や行動に違いがあるのでしょうか。7月30日にソニー銀行が発表した未婚の25~34歳対象の「マネーに関する実態調査」に興味深い結果が出ていました。 この調査(調査期間:2009年5月29~30日:インターネット調査)は25歳から34歳の男女600人に対し行ったものとのことです。
先週に引き続き、アンケート結果から見える、マネーに対する人々の行動をご紹介したいと思います。

まず、将来の目標や目的のために普通預金以外の貯蓄・資産運用をしていますか、という設問に対し、半数以上が「はい」と回答しています。(ソニー銀行では運用している方を「マルチ派」と名づけています)
その目的として老後の不安がトップ(全体の62.4%)ですが、男性の回答に目立ったのは資産運用を趣味としている(27%)、マーケットや経済の勉強のため(21%)、というもの。それだけに男性回答者の運用先としては株式、投資信託、FXがかなり高い比率であり、積極的に運用経験を重ねていこうという姿勢が見られます。

興味深いのは婚活と運用の関係です。婚活を積極的におこなっている「婚活者」ほど、資産運用に熱心な「マルチ派」の比率が高いのです。(男女別なし) 具体的には、「かなり積極的に婚活中」の人におけるマルチ派は74.4%、「婚活中」の人におけるマルチ派は66.1%、そして婚活に関心がなく活動していない人に占めるマルチ派は41.4%と言う結果です。
またマルチ派とシンプル派(預貯金のみ)の貯蓄額についてはマルチ派の60.3%が400万円以上に対し、シンプル派の58.3%は100万円未満ということで、婚活に積極的な人ほど、資産運用にも積極的、その結果貯蓄額も高いということがいえるようです。

ここで、もう1つの調査結果をご紹介します。株式会社マクロミルによる、「結婚意識と婚活に関する調査」で調査期間は2009年2月10日~11日(インターネット調査)、1都3県の25~49才の独身男女1,000人と、こちらはアラフォー以上も対象となっています。
現在婚活中の人にどのような活動をしているかという設問があります。(複数回答)
女性は「外見を磨く」(50.0%)という回答が多いのに対し、男性は「仕事のスキルを磨く」(41.5%)、「収入をアップさせる努力をしている」(31.7%)、「貯蓄・資産形成」(31.7%)が上位を占めているあたりはソニー銀行調査と同様で、婚活中の男性=資産形成(自らの「稼ぎ力」アップによるフロー増加と運用によるストック増加)に積極的といえるようです。

これに対応するかのように結婚に対する意識調査では、女性は「経済力を重視」(81.2%)、「結婚しても生活レベルは落としたくない」(85.5%)という結果となっており、婚活には経済力が大きく影響することもうかがえます。
前回ご紹介した調査結果同様、この二つの調査結果からも明確な目的(今回は「婚活」)をもっている人ほど、その目的に向けての資産形成にも積極的に取り組んでいることがわかります。
目的意識と計画、行動、そして向上心が資産形成のキーワードのようですね。
前回のコラム 「資産形成している人は・・・」
→ http://lounge.monex.co.jp/column/money/2009/07/27.html

廣澤 知子
マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザー