ロボットという言葉に皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
子どもの頃に親しんだテレビアニメには正義の味方のロボットがたくさん登場しました。今でも多くの「元子ども」である男性たちが熱狂的な支持をしているアニメもあるようですね。また、数多くのハリウッド映画でも近未来を舞台にしたストーリーの中で当然のものとして、ロボットたちは主役級の活躍をしています。

今から10年ほど前でしょうか。人工知能をもつロボット犬が実際に売り出されたときは、夢物語であった「ロボット」が現実になったことに感動・興奮したものです。人間の言葉を「理解」して「自律的に行動する」ロボットが家庭に登場したのです。けして安価ではなかったそのロボット犬は即売り切れになる大人気でした。
その後、数々のロボット玩具が登場し、いまや家庭にそうしたロボットが存在することは珍しいことではなくなりました。玩具ではありませんが、お掃除ロボットもすでに登場していますね。
かたや、まだ家庭で実用化されるのは少し先になるとは思いますが、人型ロボット(実際に人の手助けをする)も続々と開発され、人間と同様の繊細な動きをすることに注目が集まっています。

実際に身近にいるロボット玩具もそうですが、映画に登場するロボットでもポイントとなるのは「感情がないこと」です。
「自律的に行動」はするのですが、そうした行動やロボットが発する要求などは、人間が設定したプログラムによるもので、ロボットそのものの「感情」ではありません。人工知能によって「考える」ことはあっても「感じている」のではないということでしょう。

人間はほかの生き物に比べて、様々な複雑な感情をもっていると思いますが、それだけに何か行動を起こそうとするときに心理面からくる影響がとても大きなものとなります。プレッシャーを感じたり、迷いが生じたり、好き嫌いがあったり、飽きてしまったり・・・何かを判断して行動しなければならないときに、冷静でいられないために失敗してしまうことってありますよね。
投資の失敗談として耳にするものに、売買に迷いが生じた、思い込みが強くて踏ん切りがつかなかった・・・といったものが多くあります。

でもロボットにはそうした感情がありません。つまり感情からくる判断を排除した機械的かつ継続的な行動が行えるわけです。
コンピュータ・プログラムにより相場状況を分析、判断し、自動的に売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す取引を「アルゴリズム取引」といいます。これはまさにロボットによる取引といえますね。残念ながら、人に似た形をして、動き回るわけではありませんけれど。

もちろん相場こそ生き物ともいえます。どれだけ分析しても予想どおりに動くとは限りません。相場の裏には人間の感情が渦巻いているわけですので、結局のところは感情との戦いになるともいえるのではないでしょうか。
感情vs感情なのか、感情vs機械的判断なのか・・・興味深いですね。

ロボットが運用するファンド「カブロボファンド(愛称)」>>
http://www.monex.co.jp/Etc/topslide/guest/G800/kaburobo/countdown.htm

廣澤 知子
マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザー