さてこのゴールデンウィークですが、日本独自のまとまったお休みであるため、諸外国で同様にまとまったお休みのあるところはありません。そのため、日本株を除く各市場はゴールデンウィーク中に大きく値動きすることが以前からよく見受けられました。
今年はゴールデンウィーク直前に米クライスラーが米連邦破産法十一条の適用を申請、ゴールデンウィーク中には米国ストレステストの結果発表、雇用統計の発表などなど、特に米国を中心とした注目ニュースの目白押し。結果、どうなったかといいますと、ご存じのとおり、さまざまな数字が予想よりは良く、市場の回復の兆しを感じられる(最悪期は脱しつつある)と好感されました。
ゴールデンウィークに関係なく動く為替相場については、多少の乱高下はあったものの大きな方向感が見られるような結果とはなりませんでした。大相場とはいえなかったですね。
日本株市場については、休み中の海外の値動きを受けるのが常ですが、先週7日(木)は大幅上昇、8日(金)も底堅く、本日も利食い売りは出ているものの、値崩れすることはありませんでした。
総じて強気展開となり、先週の「駆け込み寺」※でも「日本株はこのまま強気でいくのか?」という質問が多かったです。
※マネックス社員がマーケットや経済に関する事など、お客さまからの幅広い ご質問にお応えするオンラインセミナー
http://www.monex.co.jp/Etc/topslide/guest/G100/seminar/refuge_temple.htm
日本株の動きはご存じのとおり、米国の経済状況に左右されることが多いのが現実です。その米国の状況が改善しつつある、といっても手放しで良い状況に向いているというわけではなく、悪い状況⇒普通の状況に向かいつつあるという段階です。これまでの上昇スピードが速かったことも、あまりに楽観的になるのは個人的には心配です。
相場には必ず「調整」が入ります。いつ、どれくらい、がわかれば誰でも大儲けできますが、どんな専門家にもこればかりはわからないものです。「駆け込み寺」で質問を受けるコメンテーターの皆さんもそれは全く同じです。
ただ「短期に必ず勝つ」というのは至難の業ですが、長期に考えて利益を狙うことは、相対的に期待できるものだと思います。
長い目で見たときの方向感はコメンテーターの皆さんそれぞれに持っていらっしゃいます(数か月のうちに日経平均いくらまで、というものではなく、大きなトレンドという意味で)し、それほど悲観的な意見は聞きません。
そうしたコメントやニュースを参考に皆様もご自分なりの方向感はぜひとももつように心がけてください。
世界中の市場がこれから改善に向けて動き出すと思われる今、長い目で見ると日本を含む世界の株式市場はさまざまな魅力にあふれているといえるでしょう。もちろん、短期で見れば調整も含め、まだまだ不安定要素がありますので、十分に注意を払うようにしてくださいね。
廣澤 知子
マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザー