南アフリカと聞くとどのようなイメージをもたれるでしょうか?
今後注目される新興国、金の産地、ワールドカップの次回開催国・・・もっと古くはアパルトヘイト政策を思い出す方もいらっしゃるかもしれませんね。 このアパルトヘイト、法律上撤廃されたのは1991年、初の全人種参加選挙であのマンデラ氏が大統領に選出されて完全撤廃したのは1994年ということです。「人種差別」はいまだ世界中で大きな問題とされていますが、わずか20年ほど前までは制度・法律として存在していたのです。
そういう意味では「先進」とはまだまだ言い難い印象もあります。 

とはいえ投資の世界においてはかなり以前から南アフリカは注目されていました。今や、高い金利に注目した債券投資やFX取引で個人投資家の間でもすっかりメジャーな存在になってきていますので皆さんもよくご存じだと思います。 実はそのずっと以前には、南アフリカの通貨は2種類に分かれていたことがあったのですが、その2通貨が現在の南アフリカランドに統合するタイミングにあわせて欧米の為替ディーラーたちがこぞって為替取引(裁定取引)をしていたことはあまり知られていません。
当時ロンドンの為替トレーダーに南ア・ランドの取引はすごく儲かるという話を聞きましたが、日本においては外資系金融機関のディーラーでさえ南ア・ランドの取引をしようという人はほとんどいませんでした。
南アフリカは300年以上昔からオランダとイギリスが交互に統治していた歴史があるだけにヨーロッパの人々にとっては、日本の私たちから見る以上に(地理的にもですが)アフリカはずっと身近な存在なのでしょう。

そんな南アフリカを訪れる機会がありました。
投資の世界では注目されつつも、資源に頼った新興国、というイメージを私自身もっていました。が、実際に見てすごく驚きました。
ハブ空港のあるヨハネスブルグや行政府のあるプレトリアは立ち寄っていないためわかりませんが、ケープタウン(立法府)では、中心部には大きなビルが立ち並び、縦横に走る大きな道路は最新の乗用車が走り(渋滞にもなり)、ショッピングエリアの大きなショッピングモールには世界の有名ブランド・ショップが軒を並べ、大きなホテルも建ち並び・・・といった様子で、先進国に勝るとも劣らない様子です。
ショッピングエリアもレストラン街も人があふれ活気があり、ホテルは先進的で清潔、サービスも良く、レストランの料理もとても美味しかったです。街中では、ワールドカップに向けて競技場やホテルの建設も進み、郊外では風光明媚な光景のなか瀟洒な別荘が建ち並んでいました。
ヨーロッパ諸国に統治されていた影響で街の雰囲気はヨーロッパ的で、「アフリカ」という言葉のもつイメージ、よく日本に伝えられる「アフリカ」の映像と程遠いものでした。

もちろん、ヨハネスブルグなど、治安がひどく悪くなっていることなどは聞きますが、国の経済としてはかなり進んでいるという印象で、勢いよく成長している国に対しては固定観念をもって見てはいけないな、と思った次第です。
昨年秋以降の世界同時金融不安はもちろん南アフリカも打撃し、利下げを余議なくされ、為替レートも下落したのは事実です。
ですが、こうした資源も活力もある新興国というのは大きな底力をもっているようにも感じてきました。
これから先、経済がどうなっていくのかはわかりませんが、今後も注目していきたい国です。

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廣澤 知子
マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザー