投資信託の中で、最近残高を伸ばしているのは、どんなタイプかご存知でしょうか?残高を伸ばしている、ということは最も買われている、ということです。それは国際債券投資型で定期的な分配金の出るタイプです。ちなみに必ずしもリターン・ランキングの上位というわけではありませんので、念のため。
株式市場に不透明感が出ると、機関投資家は資金を債券市場に避難させますが、個人投資家も株式市場の不安定な動きに嫌気して、もしくは、物価高等が家計を打撃した結果、なるべく安定的に運用できる先として債券型を選択しているということがあげられます。

国際債券投資型・分配型の投信は以前から、特にシニアの方々には強く支持されてきた商品です。これから大きくお金を殖やす必要はないけれど、年金の足しは欲しいというニーズにマッチしていることがその人気の理由でしょう。また、株式型の投信に比べて安全性が高い運用であるため、為替リスクはあるものの、抵抗が少ないということもあるかもしれません。さらに、長期的に保有し続ける方が多いことも特徴です。

ただ、投資環境が不安定になってくると、投資家の心理的にもシニアの方に限らず、安全性や安定性を求めるようになってくるということなのでしょう。
国際債券型投信と一言でいっても、いくつかのタイプがあります。

A. 高格付け債投資 ・・・ 高格付けの欧米の債券に投資するタイプ B. 新興国ソブリン債投資 ・・・ 新興国(一般に低格付け)のソブ    リン債(現地政府などが発行する債券)に投資するタイプ 
C. 高金利通貨投資 ・・・ 「通貨」といっているが、高金利通貨建て    の短期債などに投資するタイプ 

Aは前述したシニアの方に人気のタイプで、安定性は高いのですが、先進国の利下げ傾向が強い現在、分配金の甘みは減りつつあります。高格付けでありながら、好金利であるオセアニア通貨建て債券に投資している、A+Cというタイプも多く見受けられます。オセアニア諸国も利下げ傾向にありますが・・・。 Bは発行体である新興国政府などの低格付け、すなわち信用リスク(カントリーリスク)に対する金利の高さが魅力となっています。通貨は現地通貨に限らず、米ドル建てや円建て(いわゆるサムライ債)もあります。
Cは、「通貨に投資」という印象を受ける名称もありますが、高金利現地通貨建ての債券に投資しているもので、B+Cで高金利通貨とソブリン・リスクの両方から高利回りを狙っているタイプもあります。
いずれも外国為替をヘッジしていない場合は為替リスクがあります。また、投資債券の通貨によって、その変動の大きさは大きく異なることにも注意が必要です。

投資信託は少額から投資ができる、積立ができる、分散投資が容易など様々なメリットがありますので、ぜひ活用していただきたい金融商品の代表なのですが、デメリットとしては手数料がかかることがあげられるでしょう。

国際債券投資には興味がある、でもできるだけ手数料はかけたくない、というのであれば、直接外国債券に投資することでも同様の魅力のある投資となります。
外国債券にも上記のような様々な種類があり、オプションなどを組み入れた仕組み債もあります。外貨建ての場合であれば、為替手数料はかかりますが、保有中に投資信託の信託報酬のような手数料はかかりません。

マネックス証券では上記Bの低格付けソブリン債は現在扱っておりませんが、国際機関などの高格付けの発行体による高金利通貨債や、先進国でありながら好金利のオセアニア通貨建て債などさまざまな種類の債券を扱っています。また投資信託なみの少額からの購入が可能なものもあります。(現在扱っている債券の最小金額は1万円を切っています)

国際債券投資に興味があるのであれば、投資信託だけでなく、直接、債券投資も検討してみてはいかがでしょうか?

現在お取扱い中の債券は、外貨の受払いもできるようになったNZドル建て債>>http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news808t.htm
廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー