そんな外貨建ての預金や債券でも、私たちが知っている金利水準より高い金利が提示されている商品があります。金利も相場があるものですから、金融機関が勝手に好きな金利をつけられるものではありません。
金利が高めになっている預金や債券には、なんらかの【条件】がついています。
そうした各条件の多くは、デリバティブという金融派生商品を組み合わせることによって成り立っています。(「キャンペーン中」を条件にしていることもあります。)
預金+デリバティブで「仕組み預金」、債券+デリバティブで「仕組み債」と呼びます。
ここでいうデリバティブというのはオプションやスワップ、先物取引などで、「権利の売買」、「交換」や将来の特定の時期の取引、もしくはその組み合わせだとお考えください。
機関投資家などプロはこうしたデリバティブ商品を単体や組み合わせにして、ポートフォリオの利回りを向上させたり、リスクをヘッジしたりすることに利用しているのです。
このデリバティブを利用、小口化することで、個人投資家向けの商品となり、個人投資家の資産の利回りを向上させたり、リスクヘッジができるようになってきたのです。
利回りが向上する【条件】は、何らかを引き換えにしています。デリバティブは魔法ではありません。リターンを得るためには必ずリスクがつきものなのです。
よくわからないものには手を出さないように!と私自身お話することも多いのですが、こうしたデリバティブの仕組み自体を全て理解しようとしても、仕組みそのものは「オタク」的に複雑なものもあり、お手上げになってしまうことも。
では避けるべきなのか、といえば否です。
「全てを理解」するのではなく、「必要な理解」をすればよいのです。
その「必要な理解」とは、何を得るために、どんな【条件】があって、それが自分にとってどの程度リスクなのか、ということです。
例えば、今回マネックス証券で販売している「UBS銀行 豪ドル建てステップアップ型社債」も、リスクとして「期限前に発行体の判断で償還される可能性」とあります。
これはもっている権利、「満期まで利息を受け取る権利」を売り、その対価としてお金を受け取り、その受けとったお金を金利分に換算して通常の豪ドルの金利に上乗せしているタイプの仕組みです。それにより通常の豪ドル金利よりも高い金利になっているのです。
では「満期まで利息を受け取る権利」がなくなるとどんなリスクになるのでしょうか。
償還期限前に償還されると、手元に戻った現金を都合よく運用できる金融商品に投資できないかもしれないという「再投資リスク」というリスクになります。
これを大きなリスクと思うかどうかは人によって異なります。そのまま償還金を外貨建てMMFで、外貨のままで受け取るなり、円に戻して使うなりすればいい、と考える人であれば、あまり大きな問題にはならないでしょう。
自分にとってどんなメリットを手放し=どんなリスクが生まれ、それに対してどれだけのリターンを確保でき、それが自分にとって充分なメリットになるのかどうかを各自判断することが大切です。
リスクを理解することを毛嫌いしなければ(恐れなければ)、資産の利回りを向上させることも可能になるのです。上手に活用するようにしたいですね。
「UBS銀行 豪ドル建てステップアップ型社債」
※ 私が動画で解説しています!※
当初利率7.02%(年率)で2年目以降は0.25%ずつ利率がUP!
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news806a.htm
豪ドルMMFの資金からも購入できます!利金や償還金を豪ドルMMFで受けることも。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G3220/saiken/gaikkai.htmhttp://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G3220/saiken/gaikuke.htm
廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー
※『 8 マネックス証券からのお知らせ』の 「豪ドル建てステップアップ型社債に係る重要事項について」をご覧いただき、リスク・手数料等に関してご確認ください。