再びガソリンの値上げがニュースを賑わしています。同時に身近な各種食品の値上げも相次いでいます。バターといった身近な品物がスーパーの棚からなくなる、という事態が起きている事実に戸惑いを感じます。この日本で・・・?という感じですね。

今日の日経新聞の「インフレ、リターンズ?新段階のグローバル化」というコラムは興味深いものでした。今回の原油高と身近な商品の度重なる値上げは70年代の石油ショックになぞらえて語られることが多いですが、このコラム内では大航海時代である16世紀の「価格革命」にも遡って比較しています。 まあ、歴史は繰り返す(同じように繰り返すわけではない、とコラムには書かれていますが)とあるように世界の勢力図が塗り替えられるたび、それまで弱者であったものが力をつけて台頭してくるたび、主役の交代をしながら世界経済は変動しています。

と、話は大きくなりましたが、そんな変革期にあってどうやって自分と自分の家族の生活を守っていくかということを真剣に考えないといけないですよね。 残念ながら国(政治)や社会が守ってくれるという時代ではないことは皆さんよくご存知のことと思います。

経済的に生活を守るというのは、どんな経済状況にあっても経済的に困らないようにすること。つまり資産計画をきちんと立てる=運用することがより大切になってきます。

デフレが続いた時代は、モノの価値が下がっているわけですから預貯金をしていることが最もお金を「減らさない」、価値を保つ方法でした。
けれどもここにきて、(景気が良くなるという実感は伴わなくとも)デフレ経済は終焉し、世界的にインフレ傾向が高まってきています。
これまでと同様に超低金利に預貯金をしているだけだと、周囲のモノがどんどん値上がりしていき、自分のお金ではモノが手に入らなくなる=実質的にはお金の価値が下がるということが起こるようになってきてしまいます。
よく街頭インタビューで「お給料が増えないのに、モノが値上がりして苦労しています」と答えている方がいますが、そうした状態が突き進むと「苦労」では済まなくなってしまいます。

インフレに負けないペースでお金を殖やすことが、生活を破綻させず、将来にも備えていくことができる唯一の手段といえるでしょう。

まずインフレに最も負けやすい低金利の預貯金オンリーは一見堅実に見えますが、とても危険です。
最近10~20代で大人気の貯金箱があります。利息が一切ない貯金箱は、遊びの要素としてだけならもちろんOKですが、お金を貯めるだけではなく、殖やしたい気持ちが少しでもあるのであれば意味をなしません。インフレには真っ先に負けてしまいます。

なかなかお金を貯められない、という方であれば貯金箱に入れるまでもなく、強制的に積み立てていけばよいのです。お給料が入ったら最初に1万円(もちろん1万円でなく3万円でも5万円でもよいのですが)は強制的に積立へ。小銭を貯金するよりはよほど効果がありますよね。
もちろん、その積立先が預貯金ではやっぱりインフレには弱いというのは前述のとおり。一般的にインフレに強いと言われる株式や今、元気な経済圏に投資する投資信託を買っていくのは大いに意味があります。
1万円が1万円のままではなく1万5千円やそれ以上になる可能性もあるわけですから。(もちろん元本割れする可能性もあるのが投資信託という商品ですのでお忘れなく。)

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とにかく、何だか知らないけれどいつもお財布がカラになる、給料日前には残高がほとんどない、ムダにお金を浪費している、という方は出費をちょっと書き出してみてはいかがでしょう?自分のムダが明らかになれば、同じことを続けようとは思いませんよね。

自らを守るためには小さなことから、でも確実に「始め」ていきましょう。

廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー