先日何年かぶりの小学校の同窓会がありました。何年かぶりどころか十何年か、それ以上ぶりの本当に久しぶりの集まりで、顔をぱっと見ただけでは全く誰か分らず、しばらくして面影と名前が一致してくる、といった有様でした。
当たり前ですが、同じ年齢の集団です。
とはいえ結婚した人、していない人、子どもがいる人、いない人、最初に就職した職場にいる人、転職をした人、独立した人、海外で仕事をしている人、主婦になった人、と本当に様々な人生を歩んでいます。もちろん世帯収入や消費事情など経済事情もそれぞれ全く異なることでしょう。

つくづく年齢で輪切りにした画一的な「モデルケース」というのはいまどきには当てはまらないものだと感じました。雑誌の記事などで目にすることの多い「●歳 平均年収」や「平均貯蓄」といったときの「平均」ほどわからないものはありません。「平均」と聞いて自分が近いと感じる方はあまりいないかもしれませんね。
ライフスタイル、ライフプランは人によって大きく異なります。趣味・嗜好・性格も人それぞれですから、モノを消費するにしても、投資をするにしても●歳だからコレとは言い切れないというのが本当のところでしょう。

以前(20代前半の頃だったと思います)、生命保険のセールスの方が世の平均だけを元にライフプラン表を作って持ってきてくれたことがありました。たぶん当時同年齢の人には全員同じプランが見せられ、そのプランに基づく保険を勧められていたことでしょう。私自身の人生はその後そのプランとは全く異なる歩みとなっていますし、勧められるまま加入するということをしなくて良かったと今は思います。

もちろん「世代」を見ると共通して言える経済背景・事情というのはあります。社会保険の制度も各時代によって変化がありますので、同世代の人は同様の影響を受けることになります。
20代でバブルを経験した世代、就職が氷河期だった世代、高度経済成長を経験した世代、老齢年金を65歳以上にならないと受け取れない世代・・・などなど。

こうした時代の変化、経済的な背景からきている違いと個々人の事情による違いを分けて捉えることが、実はとても大切です。そしてこれからの時代はますます必要となってくることでしょう。
「●歳」だからコレといった画一的な勧め方、勧められ方は、売る方はもちろん、買う方も冷静に考えることが大切です。
ただ買う方が構えすぎてしまい、世の中の経済的な動きや制度の変換を前提にした情報を「個々人は違うのだから」と何でも疑心暗鬼になってしまうと、それはそれでチャンスを失ったり、損をしたりすることもありえます。

まずは個々人が「己を知る」こと。その上で自分に必要な情報を鵜呑みにせず、咀嚼した上で取捨選択できるようになるのが理想ですよね。
自分を知ることで、怪しげな勧誘はシャットアウトできるようになるでしょうし、自分自身に関係する世の中の動きを教えてくれる大切な情報を見逃すこともなくなってくると思います。
難しいですが、とても大切なことです。自分のことは自分自身にしかわかりませんから、少しずつでも整理していきたいものですね。