ご覧になった方も多いかと思いますが、本日の毎日新聞のニュースです。監査法人の英米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が公表した2050年の世界の実質国内総生産(GDP)予想で、新興国の躍進と日本の後退が鮮明となったという記事です。

PwCは経済成長率が高い中国、インド、ブラジル、ロシア、メキシコ、インドネシア、トルコの7カ国(E7)を中心に分析しているとのことですが、この7カ国はBRICs+Next11の一部といったところですね。
BRICs、Next11などの名称についてはこちら>>
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/008608.html

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E7諸国全体のGDPは2050年には米国の3倍超に達する。筆頭の中国は2025年ごろに米国を追い抜き、2050年には米国の1.3倍となる。
日本は現在、米国GDPの32%を占め、世界2位。しかし、2050年には世界最大の中国に次いで、インドが米国の約9割に迫り、ブラジルが同26%となる。日本は同19%で5位にとどまる。ロシア、メキシコ、インドネシアもそれぞれ17%と日本逆転が視野に入る。
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といったシナリオとのこと。(記事より一部抜粋)
もちろんこれは今に始まったことではなく、かなり以前からその成長率は注目されているからこそ、金融界ではBRICsやNext11などと称した地域への投資が開始されていたということです。

それにしても、どの国も共通して言えることは資源豊富な広大な国土と人口の多さですよね。人口だけで言えば、日本も現在では世界10位と高順位ですが、ご存知の通り高齢化が進んでいるため、高齢者率が非常に多いのが特徴です。 もちろん、ここでポイントとなる「多い人口」は労働力人口の層を指します。
多くの若年層が水準の高い教育を施され、高い意識をもって労働に向かうようになれば(日本の高度成長期のように豊かさに向けてまい進する力が多数集まれば)、国の経済成長率がアップしていくことは当然のことと思います。 もちろん、政治や外圧などの制約やプレッシャーが足かせにならないことも条件ですが。

上記で国と国を比較した話をしてきましたが、これからは国同士で追いつけ、追い越せという次元ではなくなっていくかもしれませんね。
すでにボーダーレス化している世の中ではありますが、より国や地域を越えて人・カネ・モノの融通性が出てくるでしょうし、その流れにいち早く乗っていくことが企業レベル、個人レベルでの勝敗の大きな要因になってくるでしょうし、それこそが競争の中心になってくるかもしれません。

つまり長い目でみて(2050年までとは言いませんが)、「どこの国」と限定せず、成長性に期待できるところには早めに分散して投資をしておくことが将来的な資産形成において必要条件となってくると思われます。

まだ、爆発的な成長が始まる前の地域に投資を始めることは、リスクは大きいですが、期待もそれだけ大きいということ。新興国とひとまとめにせず、成長度合いによるリスクの大きさを考え、分散した上で上手にポートフォリオに取り入れていくことで、将来の資産に大きな差がつくことになるかもしれませんね。

廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー