7日(金)の欧米市場で約3年2ヶ月ぶりの101円台をマークしました。日本人の目から見れば円高という表現で、もちろん間違いはありませんが、「円が高い」というよりドル安である、というのが実際のところです。
もちろん為替はシーソーの関係ですからドルが安ければ円が高いわけですが、世界的に見て、世界のどの通貨にたいしてもドルが安い、ドルが売られる状況が続いています。サブプライム問題が露呈し始めた頃から顕著になってきた動向ですが、日本円だけは意外と反応が遅かった、という印象です。
そもそも、いつまでも超低金利で、景気回復も遅れ(ここにきて鈍化では済まない不穏な状況になってきましたが・・・)ている日本に「買い材料」がないと判断されていたのかもしれませんが・・・
そんな日本円も遂に大幅円高という状況となってきました。
円高になると輸出が中心である日本はどうしても株価に影響が出ます。株価が下落することで、どうしてもニュースは悲観一色になってしまいます。
個人投資家にとっても円高はマイナス要因ばかりなのでしょうか?
もちろん日本株式の現物買いだけをされている投資家の多くの方にとっては(銘柄によってはプラスになるものもありますが)マイナスの影響があるかと思います。
FXでずっとロング(買い持ち)にしていた方も、こちらもSWAP(金利差が縮小したためこちらの受け分も下落)受けはあるものの、為替差損になってしまっているでしょう。
これまで(上手くいっていた)スタイルで保有していた金融商品については、トレンドが急転換したときには損が出てしまうのは投資では仕方がないことです。
では、ここで損切りだけして小さくなっていればよいか・・・といえばそうは思いません!状況の変わり目というのは、チャンスもたくさんあるものです。相場が悪くなると全体のセンチメントが下がってしまい、引っ込んでしまいがちになるのももっともなことです。下がっている局面でその勇気はなかなか出ないというのも事実だとは思います。ですが、安値というのは絶好の買い時でもあるのです。
例えば外貨投資。ここ10年で見て、かなりの円高圏にある今は外貨建て投資を始める/買い増す良いタイミングと言えるでしょう。世界の先進国の金利が低下傾向にある状況です。金利が下がりきる前に円高である今の為替で長めに固定するというのは投資の定石でもあります。外貨建て債券はその代表といえます。とりあえず今の為替水準に注目するのであれば外債投信(外貨MMFを含む)や外株投信も良いでしょう。と、今更書くまでもなく、多くのお客様が早速その動きをされています!さすがですね。(投信の売れ筋ベストテン↓) http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/guest/G678/trt/index.htm
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http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news8032.htm
FX取引においても、ロングにしてSWAPを稼ぎながら為替差益も得る、というここ昨年まで浸透していた継続的な円安時に向く手法から、短期取引であればショート・ポジションで為替差益を狙う手法も取り入れていっても良いでしょう。SWAPポイントの払いが生じますが、それも金利差縮小によりコスト安になってきています。
株式投資も長期的に見れば日経平均12,000円は買い水準として悪いものではないかもしれません。短期的にまだ下振れを見るのであれば、これは上級者向けとなりますが上記FX同様「売り」のポジションを作る方法もあります。(信用取引、オプション取引、先物取引などを活用)
上記手法は個人では難しいので、初心者でもできる方法がよいという方であれば、相場の下落局面にリターンを追及できるベア型の投信を購入するという手もあります。
相場がどちらに振れるのか、判断しかねるし、できるだけ荒相場に翻弄されたくない、という方であれば、ヘッジファンドの手法が向きます。
急上昇時には大きなプラスにはなりにくいものの、相場が大きく下落したときなど、その下落幅が極力小さくなるような様々な手法を用いている投資方法です。オルタナティブ投資として小口でも(1万円でも!)購入できる投信もありますので、こうした状況時(海外にも投資していますので円高時は有利)に購入しておくことも良いでしょう。
資産のヘッジを考える方には(今キャンペーン中です!)>>
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news802h.htm
相場が荒れているとき、下落しているときは、時間を味方にできる個人投資家だからこそ、長い目で判断しながら新規投資をする良い機会です。前向きに捉えていきたいですね!
廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー
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著書「金利をやさしく教えてくれる本」
http://www.monexuniv.co.jp/book/#kinri
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