東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。79円高の28,677円で寄り付いた日経平均は朝方の買いが一巡するなかで上げ幅を縮めると取引開始から15分余りでマイナスに転じましたが、10円安の28,587円で下げ渋り底堅さをみせると直ぐに切り返し10時前に150円高の28,748円まで上昇しました。その後再び弱含み10時40分過ぎに54円高の28,652円まで上げ幅を縮めましたが、前引けにかけて持ち直すと127円高の28,725円で前場を終えました。97円高の28,695円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに109円高の28,707円まで上昇した後引けにかけて上げ幅を縮めると結局45円高の28,643円で取引を終えています。こうしたなか昨日に続き薄商いで東証1部の売買代金は1兆6909億円に止まっています。また、新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

資源開発大手のINPEX(1605)が一時3.6%高となりました。8月以降の減産幅の縮小を話し合う石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟の産油国からなるOPECプラスの閣僚協議が中止され減産縮小に不透明感が出てきたことによる原油価格の上昇を受けて買いを集めました。石油元売りの出光興産(5019)やコスモエネルギーホールディングス(5021)なども高く、出光興産が2.2%高、コスモエネルギーホールディングスが3.4%高となりました。

バイク王&カンパニー(3377)が5.9%高となりました。中古バイクの買い取りを強化したことに加え、新型コロナウイルス禍で3密を避けての移動ニーズが高まったことなどが寄与し上期の営業利益が前年同期比で5.7倍と大きく伸びたことが好感されました。また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのがダイキン工業(6367)や三井物産(8031)で、ダイキン工業は投資判断と目標株価の引き上げを受けて2.6%高となり、三井物産は目標株価の引き上げを受けて3.0%高となりました。

一方で中古車・新車販売店のネクステージ(3186)が0.8%安となりました。上期の最終損益が黒字転換したこともあり買いが先行し一時は4.6%高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に利益確定の売りに押され上げ幅を縮めマイナスに転じると下げ幅を広げ一時は7.1%安となる場面もありました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は45円高となりました。昨日の米国市場は独立記念日の翌日で休場でしたが、昨日に日経平均が190円近く下げた反動もあって買いが優勢となりました。しかし、先週末同様に5日移動平均線(28,704円)を小幅に上回ったところで上値が押さえられると伸び悩み上げ幅を縮めました。ここにきて一段と上値が重くなってきたといった印象ですが、今週は株価指数連動型の主要な上場投資信託(ETF)が決算を迎えることから分配金捻出に絡んだ売りが出やすく、それへの警戒感が相場の重石になっているのかもしれません。なお、日本時間の23時には6月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)