米ドル/円 日足

週間予想レンジ:109.70~111.70

メインストラテジー:押し目買い&レンジ取引

・米ドル全面高の基調は不変
・米ドル全面高ゆえに頭が重い
・強気構造維持でも曲折

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週続伸、111.67円の打診を果たし、2020年コロナショック後の高値に接近し、ブル基調を一段と強めたと言える。先々週に続き、年初来高値の再更新でブル構造を維持、また年初来安値を起点とした上昇波の継続を証拠付けており、コロナショック後高値の111.71円や2020年高値の112.22円自体が最早短期目標と化し、さらなる高値のトライで新たな上昇余地が拓かれる公算だ。

もっとも、年初来の高値更新自体が我々のシナリオ通りであり、年初来の高値更新をもって前期高値まで大した抵抗が見つからないため、一気に達成してもおかしくない。この意味合いでは先週の値動きは想定通りだった。さらに、一気に111.71~112.22円といったターゲットゾーンの打診やブレイクが見られない場合、かえって高値トライ後の頭の重さが警戒され、2020年高値に対する本格的なブレイクが先延ばしになる可能性も先日述べた通りで、先週末の反落をその一環と見なしている。

短期スパンの材料として先週末の米雇用統計のリリースがあり、その後米ドル全体の一旦スピード調整にリンクした形の反落となった。しかし、それはあくまで短期的な反応で本質的な問題ではなく、むしろ先週想定した要素のほうがより今後に影響を及ぼす可能性に注意したい。

先週の指摘した通り、大きな背景として米ドル全面高の流れが強まってきた点に一番注意しておきたい。米ドル全面高でユーロなど外貨の反落が継続されるなら、ユーロ/円などクロス円における外貨安につられる形で円高の進行がみられるはずだ。この場合、逆に米ドル/円に波及し、米ドル全面高だからこそ米ドル/円の頭が重い、といった流れがこれから鮮明化してくる可能性が大きい。

なにしろ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後米ドル全面高の局面へシフトし、米ドル指数の急騰で外貨安が急速に行われ、主要クロス円における頭打ちが鮮明になりつつある。先週末米ドル指数が反落したものの、5月末の安値を起点として上昇波の高値を更新しており、また4月高値への接近もあり、さらに先週末の調整があったからこそ、むしろこれから上昇波を一段と健全化させる可能性がある。そのため、米ドル全面高の一段加速があれば、米ドル/円への波及効果もむしろこれからではないかと推測される。

とは言え、強気構造の維持自体は問題ない。繰り返し指摘してきたように、メイン支持ラインは、年初来安値から維持されてきただけに、米ドル/円のメイン構造に変わりがなく、高値の再更新後があっただけに、これからモメンタムの低下があってもブル構造自体は変わらない。米ドル全面高が進む中、対円のリードがなくても強気の基調修正があり得ないだろう。

円は主要外貨のうち最弱であり、4月から米ドル全体が大きく反落、また一旦2月安値を割り込んでいたにも関わらず、米ドル対円は強気変動を維持、主要クロス円の軒並み高値更新もあって、円の地盤沈下が目立つことから、円全体のベアトレンドは安易に修正されない。主要クロス円におけるスピード調整があって、これから一段と深められる可能性が大きいものの、あくまで調整的、また受動的な値動きで、本格的な円高への逆戻りには程遠いはずだ。

さらに、4月安値からの上昇は、大分波乱含みの展開を果たしてきたため、素直な高値打診があれば、上昇モメンタムの強化につながり、何らかの材料で一気した上放れを果たす可能性があることも繰り返し指摘してきた。この意味では、先週の高値再更新がみられた分、モメンタムの低下がすぐみられない可能性もある。この場合はやはり2020年高値を一旦トライし、前期クロス円の波及効果があっても先延ばしになる見通しだ。言い換えれば、安易な逆張りはできない。

直近の値動きとして6月21日の「強気リバーサル」のサインが重要であった。同切り返しで支持ゾーンを再確認し、年初来高値の更新、また強気構造の一層の確認をもたらした。高値更新後の反落をスピード調整の一環と見なした場合、何らかの材料なしでは6月21日日安値の109.71円を割り込むのは容易ではないとみている。実際、6月30日の大陽線も強いリバーサルのサインを点灯しており、同日安値の110.47円の更新があっても一気に進まないとみている。

より長いスパンでは、年初来高値の更新は、2015年高値から引かれてきた抵抗ラインのブレイクを示し、2015年高値から形成された大型トライアングル型の保ち合いが非常に長い歳月がかかっただけに、ブレイクを果たした後の上昇トレンドが大型化されていく公算が大きく、メインシナリオとして維持されている。上昇モメンタムが再開された分、2020年高値の112.22円の再更新を確実視しており、115円関門前後の上値余地を拡大していくのではないか。短期スパンの調整があれば、中長期スパンにおいても拾う好機とみなしている。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:80.00~84.00

メインストラテジー:戻り売り&レンジ取引

・切り返し先行でも頭打ち
・底割れ一旦回避でも弱含み
・豪ドル/米ドル次第で反落加速

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週反落、値幅小さかったものの、我々の想定通りの展開となったため、メインシナリオを維持しておきたい。先日述べたように、先々週の切り返し、反落波におけるスピード調整を果たしたことは、先週の反落をもって一段と証拠付けられ、これから保ち合いの先行があっても反落途中との位置付けは不変だろう。

先週も84円前半にて再度頭打ちとなったこと鑑みると、これから切り返しの先行があっても、84円関門以上に定着しにくいとみている。先週後半の切り返しがあったものの、週間の下落幅を早期に帳消しできない限り、モメンタムの低下が続くと推測される。この場合、先週後半の切り返しがあったからこそ、これから安値最更新があれば、より大きな反落波の進行が推測され、これからさらなる下値余地を拡大していくだろう。このような見方は、やはり6月第3週の下落幅が大きかったこと、また重要なサインを点灯したことが決定要素となり、先々週の切り返しに先週続かないことで反落波の進行を一段強化したと言える。

繰り返し述べているが、6月第3週の反落は、市況を一変させたところが大きい。すでに3月末安値の82.28円の打診もあって、当面の頭打ちや豪ドル/米ドル次第で、調整幅の拡大が見込まれ、また調整波の先行でしばらく高値再打診の可能性を後退させたため、先々週の戻りはむしろ戻り売りの好機と見なしたのも正解であった。

6月24日安値の83.96円を一旦割り込んだことが重要なサインだった。その後一気に3月24日安値の打診をもって頭打ちのサインを成立させた。5月10日の高値再更新が「フォールス・ブレイクアウト」のサインだったことを証明しており、同サインの効き目がこれからも反落幅の拡大が続くはずであり、またすでに効いている以上、効果の長続きも推測される。

なにしろ、3月18日の高値打診は、2月25日高値を一旦更新した後3月24日の安値トライに繋がったため、「ダマシ」の可能性を一旦示唆していた。しかし、2月26日安値81.99円を割れずにその後の高値トライに繋がったため、本来は一段と上値トライをもたらすはずだった。言ってみれば、「ダマシ」のサインの構築自体が大型化され、また時間をかけて高値圏で変動レンジの形成や下放れが確認されていた分、これからの調整幅の拡大が現実味を増すが、まだ途中段階である。

この場合、82円関門以下の安値打診があれば、変動レンジの下放れを示し、前述の「フォールス・ブレイクアウト」のサインの効き目で変動レンジの「倍返し」的な下方シフトが想定されるだろう。この場合、最大79円台半ばの下値余地が計算される。先々週の戻りの先行はむしろ途中のスピード調整としてみなされ、また先週の弱含みの変動もあって、より「健全な」反落波の形成に繋がるとみている。

直近の値動きでは6月28日の陰線も重要なサインを示したとみている。同日の罫線は「弱気リバーサル」と解釈され、メイン抵抗ゾーンの再確認を果たす存在であっただけに、84円前半の再打診があっても、早期の上放れなしでは頭の重い状況は変わらない。この場合は再度安値トライしやすい環境にあり、今回こそ82円関門以下の下落余地を拡大していくだろう。

そもそも82円関門の打診があっても一気に割り込んでいくとは限らない。先々週のスピード調整があったからこそ。むしろ再打診しやすく、また下放れをもって5月高値の「フォールス・ブレイクアウト」のサインの効き目を一段と証明するだろう。この場合はまず81円関門、その後80円大台の打診に繋がる見通しで、今週も戻り売りの戦略を維持したい。

一方、10月末安値を起点とした今回の上昇波は、フィボナッチの38.2%押しは81円関門前後、また同半分押しは79円台半ばに位置するため、豪ドル/米ドル次第ではあるが、一気に80円関門の割り込みが見られない可能性もある。この場合、80円大台はしばらく支持ゾーンとして意識されてもおかしくないだろう。この意味合いでは、レンジ変動の一環とみなす場合、下値トライ後の逆張りもあり得る。しかし、投機的なスタンスと覚悟すべきで、また短期トレードに徹すべきだろう。

より長いスパンでは、2020年コロナショック後の安値から豪ドル/円の大型V字型回復や上昇波への復帰が確認され、また2018年5月以来の高値トライが観察された以上、メイン変動としての強気トレンドが維持される公算が大きい。2020年9月、10月のように、連続2ヶ月の調整があってもおかしくないが、ブル構造を否定するにはかなり反落し続けなければならず、目先のハードルは高いとみている。本質的な見方として、調整波の先行や延長があっても、本格的な円高トレンドへ逆戻りすることはあり得ないだろう。こちらも見誤らないように気を付けたい。