昨年末に比べ、日経平均は12%以上の下落、ドル円は5%以上の下落(円高に)と大きく下振れしています。NYダウは9%以上(S&P500で10%以上)の下落です。
本日前場にアジア株も全面安となり、世界的な株安でもあります。
昨年7月からの約半年で見てみると、サブプライム問題など世界株式下落の原因ともなった米国市場のダウが本日までに12%強の下落のところ、日本株(日経平均)は22%以上の下落(同期間TOPIXは26.7%下落)となっており、より深刻な影響を受けています。
行き場を失った世界中のお金が、安全資産である債券市場や金・原油といった商品市場に流れています。(ご存知のとおりの金、原油の高騰です。原油は年明けに少し下落してきていますが・・・)
金利は低くなり、私たちが手にする様々な商品には原材料の高騰が転嫁されつつあるという状況です。
こんな荒れ模様の相場ですが、損している人ばかりではありません。損している人の反対側でしっかり勝っている、もしくはほとんど痛手を受けていない人がいるのも、また事実です。
どんな人が勝っている(または負けていない)のでしょうか?
1. 皆が買いあがっているときに早めに売り抜けている
2. コストをかけながらも積極的に「売り」をしている
3. 絶対収益を狙うオルタナティブ投資を活用している
4. 様々なタイプの資産に分散投資をすることで変動を抑えている
1.ができると良いのですが、これはなかなか見極めが難しいですよね。市場の変動の折り返しはプロでも予測は難しいものです。現に相場が反転するたびに「もう底をつけた」と言い切る専門家が出てきたりもします。
ただ市場が大きく動いてからあわてて後追いすると、傷が深くなりがちなのも事実です。
2.は個人投資家には大変難しいです。1.のように見極めが難しい相場を相手に売りを仕掛けるというのはリスクが大きいものです。
これは株式でも為替でもショート(=売り)にはコストがかかりますので、思惑通りにいかなければより大きな損失につながるからです。
3.は普通のヘッジファンドなどに個人が参加することは難しいものですが、投資信託の形に小口化されたものであれば、私たちも簡単に購入することができます。相場の変動に左右されない絶対収益を狙う投資ですから魅力的ではありますが、流動性の制限もあり、自己資産内の保有比率については注意が必要です。
個人投資家がもっとも手軽にできることは、やはり4.でしょう。その中には3.のオルタナティブ投資も一部加えることでより安定性を増すことが可能だと思います。
ここでいう「資産」は、商品なども含めたものです。株式だけ世界中に分散していても世界株式の連動性が増している最近では、どこの国の株式市場も変動幅は異なっても、相場の方向性は近くなります。
現在のように市場が不安定なときは前述のとおり、安全資産である債券に資金が流れています。つまり債券の市場価格は上昇している(金利は下落)ので、債券を保有していると資産全体のヘッジになっているのです。
またオルタナティブ投資や商品投資も個人で直接行うのはハードルが高いものもありますが、投資信託の形態であれば簡単に保有することもできます。
つまりどんなに市場が変動しても、勝たないまでも大きく負けないように資産を多方面に分散したポートフォリオをもつことが、個人投資家にとっての一番の防衛といえるのではないでしょうか。