東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。日経平均は40円高の28,832円と上昇してスタートしましたが、寄り付きをほぼ高値に伸び悩むとマイナスに転じ取引開始から10分弱で90円安の28,701円まで下落しました。その後一旦持ち直したものの昨日終値近辺で上値が押さえられると再び下げ幅を広げ前引け間際に159円安の28,631円まで下落し151円安で前場を終えました。166円安の28,624円と本日の安値でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに89円安の28,702円まで戻した後やや下げ幅を広げましたが、引けにかけて持ち直すと結局84円安の28,707円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ニトリホールディングス(9843)が一時4.7%高となりました。家電や収納用品などが好調だったうえ、子会社化した島忠の業績も寄与し第1四半期の営業利益が前年同期比15%増の427億円となり第1四半期として過去最高となったことが好感されました。人材派遣のパソナグループ(2168)も8.4%高となり年初来高値を更新しました。総務や経理といった間接業務を請け負うBPO事業が拡大したことに加えて、人材派遣や人材紹介、再就職支援での人材需要にも回復の動きがみられたことなどから2021年5月期の営業利益の見通しを175億円から199億円に上方修正したことで買いを集めました。また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが日本調剤(3341)や住友重機械工業(6302)で、日本調剤が目標株価の引き上げを受けて一時3.8%高となったほか、住友重機械工業は投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.9%高となりました。

一方で三菱電機(6503)が6.0%安となり年初来安値を更新しました。鉄道車両用の空調装置以外にも鉄道車両のブレーキに用いられる空気圧縮機でも不適切な検査を行っていたことが分かり売りがかさみました。DMG森精機(6141)もユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債)を発行して400億円を調達すると発表したことで将来的な株主価値の希薄化を懸念した売りが出て6.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は84円安となりました。買いが先行しましたが、寄り付きをほぼ高値に伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を三桁に広げる場面もありました。昨日の米国市場が高安まちまちで材料になりにくいなか、明日の夜に米雇用統計の発表を控え様子見となるなかで売りが優勢となりました。寄り付き前の8時50分に発表となった日銀短観は大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回のプラス5から9ポイント改善したプラス14となり2018年12月調査以来2年6ヶ月ぶりの高水準となりましたが、想定の範囲内の結果でマーケットへの影響は限定的でした。なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数が発表されるほか、23時には6月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)