月末月初週とあって重要な経済指標の発表が相次ぐ。29日に米国の6月消費者信頼感指数、30日に日本の5月鉱工業生産、中国の6月製造業PMI、米国では6月ADP全米雇用リポート、7月1日に日銀短観、中国の6月財新製造業PMI、米国では6月ISM製造業景気指数、そして2日に米国の6月雇用統計が発表される。

なかでも注目材料は7月1日に発表される6月の全国企業短期経済観測調査(短観)だ。大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス15と3月のプラス5から一段と改善し、2年半ぶりの高水準を見込まれている。非製造業も大企業はプラス3と3月のマイナス1から改善し、5四半期ぶりにプラスになると予想される。相場の追い風になるだろう。

今週は小売りの決算発表が本格化する。好業績の観測報道で大幅高を演じたニトリHD(9843)は例外か。小売り全般としては新型コロナウイルスの感染再拡大と緊急事態宣言で客足が再び遠のき、当初想定よりも厳しい決算となることが予想される。その中で週初のしまむら(8227)、アウトドア需要が好調なヒマラヤ(7514)などは比較的堅調か。29日にはJ.フロント リテイリング(3086)、30日にはニトリHD(9843)、アダストリア(2685)、7月2日には良品計画(7453)、アスクル(2678)、ハイデイ日高(7611)などが予定している。

週末は米国の雇用統計と7月4日の東京都議会選を控えて様子見機運が強く、動かなくなってしまうかもしれないが、その前の6月30日大引け~7月1日寄り付きにかけてのオーバーナイトトレードも一興か。なにしろ月末の株安というアノマリーが途切れずにずっと続いている。おそらく今月末の6月30日も安く終わる公算が高い。しかし、その夜の米国ではマイクロン・テクノロジーの決算が予定されており好決算となるだろう。そうなれば翌7月1日には半導体関連株が買われるだろう。上述の通り日銀短観も追い風だ。6月30日の安いところ、もしくは大引けで買って、7月1日寄り付き、もしくは高いところで売るという「夜ばかり」が機能するかもしれない。
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