広木 隆への質問はこちらからご入力ください。 回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
Q.インフレ懸念がある米国株の見通しは?
米国はインフレ懸念があると思うのですが広木さんのご意見を伺いたいです。
回答
足元のインフレ懸念はコロナが引き起こしている「異常値」の部分があります。
第1に、昨年の今頃はコロナで経済が完全にストップして統計が大きく落ち込んでいました。その状況と比べればインフレが高く出るのは道理であって「ベース効果」と呼ばれるものです。
第2に、4月のCPI上昇は中古車価格の高騰が最も大きな要因だったがこれも一種の「特需」でいずれ平常に戻るでしょう。中古車が値上がりしている理由は半導体不足で新車生産が減少したことに加えて、コロナ感染を嫌い公共交通機関を避けるため自家用車のニーズが高まっていることがあります。コロナが落ち着けばその特需も剥落していくでしょう。
そして第3に、米国では人出不足となり賃金も上昇しているが、これは失業保険の上乗せ給付が9月まで延長されているため賃金の安い仕事に就くより失業保険をもらったほうがよいので労働市場に人が戻らないからです。
しかし、この先、米国経済が正常化すれば、もう失業保険の上乗せの延長はない。失業していた人は低賃金の仕事にも就かなければ収入がなくなるため労働市場に戻る。そうなれば平均賃金は低下圧力がかかるでしょう。工場など製造業にも人が戻り、供給不足も解消し、物価全般が低下するでしょう。
こうした見方がだいぶ浸透してきたせいで、CPIが発表された直後に比べれば市場は落ち着いているように見えます。しかし、まだ不透明な点が残ります。例えば足元のインフレの要因となっている供給制約はいつ解消されるか、その答えはそう簡単に見いだせない。
なぜなら構造的な変化がその背後にあるかもしれないからです。国際政治による様々な制限(人権問題や安全保障問題、ハイテク製品・通信サービスに関連する取引等)、金融緩和による資産価格上昇、米国の拡張的な財政政策、国際的なサプライチェーンの変化、新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化などです。
Q.コロナ終息後の財政出動の縮小について
コロナ終息後の財政出動の縮小は世界的な株価の下げ材料となりますでしょうか?
回答
一方でバイデン政権の大型財政出動がありますので、それほど大きな懸念とはならないでしょう。
Q.米国長期金利の今後について
バイデン政権がインフラ投資計画の規模を縮小するというニュースで米国長期金利が1.5%台に下落しましたが、1.5%台が続くでしょうか?そうなればグロース系優位が続くでしょうか?
回答
コロナ終息~景気回復に合わせて長期金利は緩やかに上昇するでしょう。
それでも上昇ペースが緩やかならばグロース系もまた買われていくでしょう。
Q.今は金融バブル?
今は金融バブルと思いますか、弾けると思いますか?
回答
日経平均のPERが13~14倍。これをバブルとは言いません。
Q.金融相場から業績相場への移行時期に買うなら?
金融相場から業績相場へ移行し始めている様に思えますが、買うなら業績好調の銘柄でしょうか。
回答
その通りだと思います。
Q.向こう3年の適切な投資比率について
日本株と米株のインデックスファンドの投資比率を現在35%と65%にしていますがこの投資比率は向こう3年見た時適切だと思いますか?
ご意見を頂けますと幸いです。
回答
良い比率だと思います。
日米の経済、企業の成長率の差を考えれば、米国株2:日本株1でちょうど良いでしょう。
Q.損切りはしないで、放置プレイで持ち続けるつもりです
ベア株を買ったら激落ちで最悪です。この先どうなることか、辛いです。
勿論損切りはしないで、放置プレイで持ち続けるつもりではおりますが。広木さんのお考えを是非とも!
回答
それはだめです。ロングの場合は損切は必ずしも必要ではありませんが、ショートは間違ったらすぐに切らなければなりません。
ショートはすごく難しいです。ベアは短期で方向性が当たっている時はポジション・キープでいいですが、ひとたび違ったら、いったん手仕舞いすることが肝要です。
このコーナーでは、お客様からいただいた質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答します。
今回は2021年5月24日と5月25日に実施したオンラインセミナー広木隆のNight Session で回答しきれなかった質問から抜粋して回答しております。
広木 隆への質問はこちらからご入力ください。 回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。