日経平均は方向感が出づらい環境が続きそうです。日銀政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)、バイデン米大統領の議会演説などのイベントはなんとなく無難に通過しそうですが、国内ではコロナ感染者の増加基調が続くことや、東京や大阪など一部地域で緊急事態宣言下の状況にあります。東京オリンピックの実現や政策対応への不信感などから、売買シェアの7割弱を占める海外投資家の様子見姿勢が重荷となっています。
本格化している決算発表への反応もまちまちです。今期の予想が市場予想を下回るとネガティブな反応が出て、当然ながら予想を出さないケースは問題外で売られるでしょう。前期の改善は織り込み済みの反応もあれば、前期の着地が上振れると買われるなど、株価位置や初動の反応などで騰勢が異なる印象です。
先週発表した、日本電産とディスコ、エムスリーは成長期待が高い代表格ですが、好決算へのポジティブな反応では、13週移動平均線や26週移動平均線を上回る位置にあったディスコに軍配が上がった感じでしょうか。所詮、株価動向は需給で決まります。いくら好決算でも、売り方優位の局面では好反応は期待しづらい、ということなのでしょう。
さて、過去の今時の株価推移はどうだったのでしょうか。2010年以降、4月後半の決算発表が本格化する直前からおよそ40日間の日経平均の推移をみると、2020年までの11年間でははっきりとした傾向は見られません。苦労した割には残念な結果となりました。
しかし、単独ではなく規模別指数で相対間の強弱をみると、この時期からは大型株のパフォーマンスが相対的に悪化する傾向になることがわかります(図表)。最も良いのは中型株。中型株は大型株に次いで時価総額と流動性が高い上位400銘柄のことで、TOPIX Mid400とも言います。
ちなみに、4月28日~30日までに3月本決算発表を予定している企業の中から、中型株に区分されているものをピックアップし、決算で好反応を示したディスコと同じように13週移動平均線と26週移動平均線を上回っている銘柄を選んでみました。九電工(1959)、双日(2768)、トクヤマ (4043)、アイカ工業(4206)、大和工業(5444)、LIXIL(5938)、タダノ(6395)、セイコーエプソン(6724)、アイシン(7259)、エフピコ(7947)、豊田通商(8015)、ヤマトHD(9064)、商船三井(9104)などが挙がります。
ただ、あくまでも参考で、発表日が変更される場合があることや、決算の内容次第で大きく変わる点には留意が必要です。