【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,677.27  ▼68.13 (4/13)
NASDAQ: 13,996.10  △146.10 (4/13)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米当局が接種後に血栓が生じる事例が報告されたことでジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)製の新型コロナウイルスワクチンの接種を中断するよう勧告したことからワクチン普及による経済正常化の期待が後退し景気敏感株を中心に売りが出て小幅に続落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入りS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発し、S&P500株価指数が史上最高値を更新しています。ダウ平均は24ドル安でスタートし199ドル安まで下落した後昼前に80ドル安程度まで下げ幅を縮めましたが、再び売られると160ドル安余りまで下落しました。しかし、取引終盤に下げ幅を縮めると3ドル安まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局68ドル安の33,677ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数は13ポイント高の4,141ポイントとなり9日に付けた史上最高値(4,128ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も146ポイント高の13,996ポイントと1%余り上昇し大幅高となっています。

2.経済指標等

3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.6%上昇し市場予想を上回り2年7カ月ぶりの高い伸びとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ公益事業と一般消費財・サービスが1%以上上昇したほか、情報技術も1%近く上げています、一方で金融や生活必需品などの4業種が下げ、金融は1%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

ハイテク株に買いが入るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が8%を超える上昇となりました。アップル(AAPL)も2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)とマイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。半導体株の一角も高く、目標株価の引き上げを受けてエヌビディア(NVDA)が3%余り上げ上場来高値を更新したうえ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%高となっています。また、暗号資産のビットコインが取引所のコインベース・グローバルが14日にナスダック市場に上場することもあって過去最高値を更新したことからビットコイン事業を積極的に広げているスクエア(SQ)が3%高となり、決済サービス大手のペイパル・ホールディングス(PYPL)も2%以上上げています。

さらにバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が7%を超える上昇となりました。米当局がジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナウイルスワクチンの接種を中断するよう勧告したことでモデルナのワクチンの需要が高まるとの期待から買いを集めました。一方でジョンソン・エンド・ジョンソンは1%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化の期待が後退し安全資産とされる米国債が買われたことで0.05%低い1.61%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ109円近辺で推移しています

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)