30代で独身という人が増えています。少子化、晩婚化と騒がれていますから全国規模だとは思いますが、特に東京圏は多いそうです。
5年前の国勢調査ですが30代前半の未婚率は男性で54.1%、女性で37.5%。現在はもっと高い比率になっているようです。

その理由としては仕事が忙しい、出会いがない、まだ遊んでいたい、など様々なようですが、気になる理由の一つに「お金がない!」というのがありました。
ここにきて景気が上向いてきて失業率も低下してきていますが、現在の30代前半の人が就職活動をした頃は就職氷河期と言われていました。就職できずにフリーターになったり、仕事に馴染めずに離転職を繰り返す人も多いようです。不況・デフレという厳しい時代ゆえに給料もなかなか上がらないために、親頼みでないと生活ができない、経済的に自立できない30代も男女問わず珍しくないということなのでしょう。

さて「独身である」ということについては、ライフスタイルが多様化した現在、社会が寛容になっていますし、周囲も本人もさほど気にしていない人が多いように感じます。
これはあくまで個人的な印象ですが、お会いする機会のある30代独身の方は(特に女性ですが)「負け犬の遠吠え」などと笑顔で揶揄しながら、生き生きと楽しそうな方が多いのです。

ただ「自立できない」という状況にある場合は、これは楽観的にばかりはいられませんよね。将来を考えると厳しいものがあります。親は確実に自分より先に老いていきます。自分の生活を支えてくれるどころか、親の病気や介護といった現実がのしかかってくることはそう遠くない将来に十分考えられることなのです。

それでは何をすればよいのでしょうか。こればかりは本人が意識して切り拓くしかないことではありますが、その一歩として現実と将来を点で捉えるのではなく、線、できれば面として考えるライフプランニングをすることをお勧めします。どんな人生をおくりたいか、いつ頃何をしたいのか、漠然としたものであっても将来を考える機会をもつこと、自分自身を見直すことで意外な発見もあるかもしれません。

ライフプランの中で、仕事にかかわる部分をキャリア・プラン、お金全般にかかわる部分をマネー(ファイナンシャル)・プランとして見てみましょう。 年齢が若い方ほどキャリア・プランニングをしっかりすることが有効です。計画的に勉強したり、経験を積むことで仕事のキャリア・アップをしていくことによって、目標をかなえると同時に経済的に自立していくことも可能となるでしょう。
年齢が上がるとともに、より注意を払いたいのがマネー・プランです。大幅なキャリアの変更というのは年齢とともに難しくなってくるかもしれませんが、マネー・プランは年齢に関係なく大切です。(もちろんなるべく早めに始めることをお勧めします)

お金に働いてもらう、つまり運用することによって、自身の目標を現実にするための資金になったり、将来の生活の支えの一部となっていきます。
そんなことを言われても働いてもらう元手になるお金がない、と思われる方もいることでしょう。運用はまとまった資金でないとできないというわけではありません。毎月たとえ少額でも積み立てをしていくことも立派な運用です。大切なのは継続的に長期的に行っていくことです。
収入をなんとなく使い切ってしまう、少しでも余れば貯蓄に回す、という考え方ではなく、収入からまずは決まった額の積み立てをし、残りを使うというふうにするだけで計画的な資金作りの一歩になります。

すでに自立している方も、これから自立しようとしている方も、ぜひとも計画的、継続的かつ長期的な運用を心がけてくださいね。