ブロードコム(AVGO)決算:一株利益は6.61ドルで市場予想を上回る

企業概要

ブロードコムは、アバゴ・テクノロジーが旧ブロードコムを買収し誕生した。多様な製品ポートフォリオを数多くのエンドマーケット向けに手掛ける。アバゴ・テクノロジーは、アップルのiPhoneやサムスンのGalaxyといったハイエンドのスマートフォンに使用されるRF(高周波)フィルターやパワーアンプなど無線通信を中心に、有線インフラ、企業向けストレージ、産業の各市場向けに様々なソリューションを手掛けてきた。旧ブロードコムからの従来事業には、スイッチ、PHYチップなどの通信機器向け半導体、TVセットトップボックスなどのブロードバンド製品、Wi-FiやBluetooth通信のための接続チップがある。ブロケード、CAテクノロジーズ、シマンテックのエンタープライズセキュリティ事業を買収したことで、インフラストラクチャー・ソフトウェア分野が強化された。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(11月-1月期)実績

★売上高・・・前年同期比13.7%増の66.6億ドル(市場予想は66.2億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・6.61ドル(市場予想は6.57ドル)

★調整後EBITDA…39.4億ドル(市場予想は38.9億ドル)

第2四半期(2月-4月期)ガイダンス

★売上高・・・65億ドル(市場予想は63.3億ドル)

★調整後EBITDA…売上高の約59%

半導体ソリューション事業の売上高が49億ドルとなり、アナリストの予想(49億5000万ドル)を下回った。世界的な半導体関連部品の不足が影響した。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

 

今後の株価見通し

次世代通信規格「5G」の採用拡大に伴い、スマホ向け高価格半導体の需要が拡大する見通しで、ブロードコムなどの半導体メーカーは恩恵を受けるとみられる。

また、新型コロナウイルス流行を機に広がった在宅勤務の流れがワクチン普及まで当面続く見通しであることも、データセンターやサーバー向け半導体を手掛ける同社にとって追い風となろう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ギャップ(GPS)決算:1株当たり1.20-1.35ドル利益で予想を上回る

企業概要

ギャップは、ギャップ、オールドネイビー、バナナリパブリック、アスレタ、ヒルシティ、ジャニーアンドジャック、インターミックスのブランドの下で、衣料品、アクセサリー、パーソナルケア製品を販売している。オールドネイビーは、売上高の半分近くを生み出している。また、Eコマースサイト、アウトレットストア、スペシャリティストアなどをさまざまなGapの名前で運営している。北米、欧州、アジアで約3,000店舗、アジア、欧州、中南米などで約600店舗のフランチャイズを展開している。1969年に設立され、サンフランシスコを拠点としている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(11月-1月期)実績

★売上高・・・前年同期比5.4%減の44.2億ドル(市場予想は46.6億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・61セント(市場予想は18セント)

★粗利益率・・・37.7%(市場予想は36.4%)

★既存店売上高…0%(市場予想は2.0%増)

通期ガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.20-1.35ドル(市場予想は31セント)

2020年11月-2021年1月期決算は、純利益が2億3400万ドル(約252億円)の黒字だった。税制上の優遇措置から一時的な特別利益を計上した。2020年同期は1億8400万ドルの赤字。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

 

今後の株価見通し

競合のエアロポステールや、アメリカン・アパレルとの競合やスペインの「ザラ」といったファストファッションとの競争も激化しているがいい位置をキープしている。

決算発表日の引け後時間外取引で、同社株は5.3%程度上昇しており、更なる上値追いとなろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

コストコ・ホールセール(COST)決算:売上高は447.7億ドルで市場予想を上回る 

企業概要

コストコ・ホールセールは、2020年度末時点で世界795店舗を有し、売上高の大半を米国(73%)およびカナダ(13%)で得ている。限定的な品揃えで低価格を特徴とする倉庫店舗での買い物を可能にする会員権を顧客に販売している。顧客は主に個人の買い物客だが、有料会員の約20%がビジネス会員権を保有している。2020年度の売上高に占める食品・雑貨の割合は42%で、ハードライン17%、付随事業(燃料・薬局など)約17%、生鮮食品14%、ソフトライン10%となっている。倉庫店舗は平均して約14万6,000平方フィートで、75%超の店舗で燃料を提供している。グローバル販売の約6%は、同日食料品やその他各種サービスを除くEコマース・チャネルによるものである。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第2四半期(12月-2月期)実績

★売上高・・・前年同期比15%増の447.7億ドル(市場予想は438.1億ドル)

★一株当たり利益・・・2.14ドル(前年同期は2.10ドル)

★会費収入…前年同期比8%増の8.81億ドル(市場予想は8.64億ドル)

第2四半期売上高、調整済みEPSは予想を上回った。引け後の時間外取引では、1.9%下落している。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

 

今後の株価見通し

同社は、ガソリンと食品からなる品ぞろえや店内の宝探し体験など、顧客の魅力を高める取り組みを続けており、会員更新率が高い。米国とカナダで約90%、世界全体では約87%に達している。工夫しているが、株価は押し目でそろそろ底値ではなかろうか。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション