配当は年度総額、株価は時価で算出する
銘柄選びで役立つ指標の1つに「配当利回り」があります。
配当利回りとは購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。1株当たりの年間配当予想額を現在の株価で割り、100を掛けて算出します。
例えば、年間配当予想が1株当たり20円、株価が1,000円の場合、2%になります。
配当利回り=1株当たりの年間配当予想額÷現在の株価×100
配当がいくらもらえるかという金額の多寡だけでなく、投資金額に対する収益性がわかる配当利回りを確認することも大切です。
配当利回りは企業のIR情報サイトで予想配当を個別に確認し、自分で計算できます。投資情報サイトなら一度に多くの銘柄を検索したり、上位から並べることもできて便利です。配当利回りが高いと目を引きますが、受け取る権利がなくなった配当も含まれている可能性があります。
例えば、3月期決算で四半期末ごとに配当する会社ですと、7月に買い付けても第1四半期(4~6月期)末配当の権利はありません。10月に入ると、第2四半期期末配当や中間配当を払う会社の配当の権利を得られません。
配当利回り31.65%の事例
極端な例ですが、2020年3月27日(金)に前田道路(1883)の配当利回りを単純計算すると31.65%(小数点以下第3位切り捨て)でした。3月27日を取り上げたのは、期末配当を受け取る権利を確定する基準日が3月31日の場合、その日までに買い付ければ権利を得られる最終日だったからです。
前田道路の年間配当予想の内訳を開示資料で確認すると、2020年3月期末配当は100円で(図表2参照)、3月6日を基準日に設定した特別配当650円を加えて年750円でした(図表3参照)。3月27日に買っても期末配当の100円しか権利は残っていませんでした。
配当利回りを参考に銘柄を選ぶ際には、「いつ時点の配当の権利を、どの時点で株を持っていれば得られるのか」を確認することが不可欠です。