ポストコロナ銘柄が買われた1週間

米国では新型コロナウイルス感染者数が急増するも、新型コロナウイルスのワクチン開発についてはポジティブな展開が起きています。
大統領選挙の翌週11月9日ファイザー(PFE)がドイツのバイオンテック(BNTX)と共同で開発している新型コロナウィルスワクチンは90%を超える確率で感染が防げたというニュースを発表し市場に好感されました。先週 11月16日には、モデルナ(MRNA)が、コロナウィルスワクチンが94.5%の予防効果を示したとする後期臨床試験の中間データを発表、同社株はこの日史上最高値を更新しました。

11月20日にはファイザー(PFE)は、コロナウィルスワクチン候補の緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請したと発表しました。
11月22日の日曜日には、トランプ政権のコロナワクチンの早期実用化を目指す「ワープ・スピード」の責任者は、「12月11日から12日には最初の人々が予防接種を受け入れることを希望している」と発表しました。

先週1週間11月16日~20日でS&P500指数は0.8%下落しましたが、人々が新型コロナウイルスを恐れる必要のない世界で恩恵を受ける以下のような銘柄が買われました。
航空会社のアメリカン航空(AAL)は2.4%上昇、テーマパークのディズニー(DIS)は2%、シックス・フラッグス・エンターテインメント(SIX)は5.3%上昇、クルーズのカーニバル(CCL)は8.5%上昇しました。

ついにS&P500に採用が決まったテスラ

11月16日の引け後、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、テスラ(TSLA)をS&P500指数に採用すると発表しました。株式市場は今年9月のS&P500指数の入替えの際に、テスラの採用が発表されると期待していましたが、9月の入替え時には実現せず、失望されたテスラ株は5日間で34%下落、その後も株価はさえない展開となっていました。今回の発表はサプライズとなり、発表後株価は3日間で22%上昇、11月19日には史上最高値を更新しています。S&P500指数に採用されるのは、12月21日の寄り前の予定となっています。

バークシャー・ハサウェイが秘密の投資を

第3四半期のフォーム13F(米SECによる開示規制の1つ)によると、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が秘密裡に大きな銘柄のポジション築いている可能性があるとの報道があります。これは大口投資家に与えられている特別な規定で、銘柄の開示を一時的に繰り延べることができます。
2011年にはバークシャーは、IBMに100億ドル相当の投資を行った時にこの規定を使い、8ヶ月の間こっそりIBM株を買い集めていた事実があります。
今回の秘密の投資額は60億ドル(約6240億円、1米ドル@104円)にもなる可能性があるとしています。

現在米国株式市場では時価総額が600億ドル(約6.24兆円)以上の会社は130社程度ある為、バークシャーがどの銘柄に投資をしているのかを特定するのは難しいものの、メディアの報道ではペイパル(PYPL)かテスラ(TSLA)ではないかという憶測もあるようです。

いずれにしても、どの銘柄か判明するのは時間の問題なのですが、バークシャーがあえてこっそりポジションを作っている銘柄とは何なのか、非常に興味深いですね。