【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  28,390.18   △542.52  ( 11/5 )
NASDAQ:  11,890.93   △300.15  ( 11/5 )

1.概況

米国市場は米大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利した場合でも上院で共和党が過半数を維持し企業利益にマイナスとなる大規模な政策変更は阻止されるとの見方が広がり4日続伸となりました。235ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして647ドル高まで上昇した後昼過ぎに一旦380ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局542ドル高の28,390ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も300ポイント高の11,890ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件減の75万1000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。7-9月期の米労働生産性指数速報値も年率で前期比4.9%上昇に止まり市場予想を下回りました。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)は経済活動と雇用は引き続き持ち直しているものの年初の水準を大きく下回ったままとの見解を示し金融政策の現状維持を決めています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも素材が4%余り上昇したほか、情報技術も3%を超える上昇となりました。また、金融と資本財・サービス、一般消費財・サービスも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)とキャタピラー(CAT)が5%以上上昇したほか、JPモルガン・チェース(JPM)も4%余り上げました。また、セールスフォース・ドットコム(CRM)とボーイング(BA)、アップル(AAPL)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、トラベラーズ(TRV)、マイクロソフト(MSFT)も3%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となったことで目標株価の引き上げが相次ぎ半導体のクアルコム(QCOM)が13%近く上昇し上場来高値を更新しました。通信半導体のクォルボ(QRVO)も決算が市場予想を上回ったことで9%以上上昇し上場来高値を付けています。さらにゼネラル・モーターズ(GM)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで5%を超える上昇となりました。一方でオンラインゲームのジンガ(ZNGA)が大幅な最終赤字となったことで7%以上下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.76%となりました。ドル円は円高に振れ103円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に続いて年初来高値を更新しそうですが、ドル円が円高に振れるなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は12時45分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)