東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は28円安の23,478円と節目の23,500円を割り込んで寄り付くとその直後に41円安の23,465円までやや下げ幅を広げましたが、下げ渋ると10時過ぎにプラスに転じ31円高の23,538円まで上昇し16円高で前場を終えました。下落に転じ26円安の23,481円でスタートした後場の日経平均は14時前に124円安の23,382円まで下落し本日の安値を付けるとその後60円安程度まで戻す場面もありましたが、引けにかけてやや下げ幅を広げると結局96円安の23,410円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆8586億円となっています。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)が4.3%高となり上場来高値を更新しました。2021年8月期の純利益が前期比で8割を超える大幅な増益となり過去最高益を更新する見通しを発表したことで大幅高となりました。日経平均を1銘柄で108円押上げています。

パソナグループ(2168)も25.1%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。第1四半期の営業利益が利益率の高い事業が伸びたことなどから前年同期比で5.9倍と急拡大したことで買いを集めました。富士フイルムホールディングス(4901)も一時3.4%高となりました。抗インフルエンザウイルス薬であるアビガンについて新型コロナウイルス感染症の治療薬としての製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表したことが好感されました。プリマハム(2281)も一時5.1%高となる場面もありました。寄り付き前に業績予想の修正を発表しコンシューマー商品や家庭調理用食肉の販売が量販店において好調に推移したことから通期の営業利益を145億円から179億円へと引き上げたことで寄り付きから買いを集めました。寄り付き直後に高値を付けた後上げ幅を縮め引けは2.0%高となっています。また、アダストリア(2685)が自己株買いを発表したことで8.4%高と急伸しています。

一方で松屋(8237)が3.4%安となりました。通期の営業損益が44億円の赤字となる見通しを発表し、年間配当を無配としたことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は96円安となりました。欧州を中心に新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることが重石となり昨日の米国市場が続落となったことから売りが優勢となりました。そして昨日に引けで維持した節目の23,500円を本日は割り込みました。しかし、ファーストリテイリングが日経平均を支えたこともあって25日移動平均線(23,401円)は引けで上回っています。そのためここからの切り返しに期待したいところですが、25日移動平均線を引き続き維持し23,500円を早い段階で回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、今晩の米国では9月の米小売売上高や9月の米鉱工業生産、10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値など多くの経済指標の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)