東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。日経平均は米国株安を受けて56円安の23,545円で寄り付くと10時20分過ぎに82円安の23,518円安まで下落しましたが、持ち直すと12円安の23,589円で前場を終えました。プラスに転じ30円高の23,632円でスタートした後場の日経平均はまもなくして54円高の23,656円まで上昇した後14時前に2円高まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まるとその後やや戻し結局24円高の23,626円で取引を終えました。一方でTOPIXは下落となりましたが、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となり、東証マザーズ指数は年初来高値を更新しています。また、商いは本日も低調で東証1部の売買代金は1兆9458億円となっています。
2.個別銘柄等
百貨店のJ.フロント リテイリング(3086)と高島屋(8233)が昨日の引け後に発表した決算に異なる反応を示しました。J.フロント リテイリングは営業損益が第1四半期の赤字から第2四半期に黒字に転じたことで3.1%高となりましたが、高島屋は第1四半期に続いて第2四半期も赤字となったことで2.8%安となっています。また、西日本で総合スーパーを手掛けるイズミ(8273)が6.3%高となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業利益が前年同期比16.2%増と二桁の増益を確保したことが評価されました。
一方で国内大手証券が目標株価を引き下げたことでリコー(7752)とコニカミノルタ(4902)、セイコーエプソン(6724)が大幅下落となり、リコーとコニカミノルタが年初来安値を更新しました。リコーが3.8%安、コニカミノルタが5.5%安、セイコーエプソンが4.1%安となっています。さらに米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が開発中の新型コロナウイルスワクチンの治験の一時停止を発表したことなどを受けて昨日の米国市場で空運株が大きく下げた流れを引き継ぎ日本市場でも日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が売られました。日本航空が4.4%安、ANAホールディングスが4.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は24円高となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスワクチンや治療薬の治験の一時停止を受けて反落したことから下落して始まりましたが下げ渋ると持ち直しプラスに転じました。本日は節目の23,500円近辺では底堅く、その一方で昨年末の終値(23,656円)近辺では上値が重くなるといった最近の傾向そのままの一日となりましたが、引き続き下げる場面では23,500円を維持できるかが、反対に上昇する場面では昨年末の終値を超えられるかがポイントとなりそうです。なお、2月決算企業や8月決算企業の決算発表が本格化していますが本日も引け後にABCマート(2670)やサイゼリヤ(7581)などが決算を発表する予定です。また、14日の米国ではゴールドマン・サックス(GS)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)