東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は利益確定の売りに押され小幅に下落しました。日経平均は39円安の23,257円で寄り付くとまもなくしてプラスとなりましたが52円高の23,348円で上値が伸び悩むと下落に転じ10時20分過ぎに78円安の23,217円まで下落しました。39円安で前場を終えた日経平均は下げ幅を広げ86円安の23,210円で後場をスタートさせると後場寄り直後に93円安の23,203円まで下落しましたが、下げ幅を三桁に広げることなく下げ渋ると持ち直し14時20分頃にプラスとなりました。しかし、7円高で上値が押さえられると下落に転じ結局5円安の23,290円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇しています。また、昨日に7日ぶりに2兆円を回復した東証1部の売買代金は1兆6566億円と再び2兆円を割り込んでいます。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が3.4%高となりました。ソフトバンクグループが出資する中国のアリババ集団(BABA)傘下の金融会社のアント・グループが香港と上海の両証券取引所に上場を申請し、新規株式公開(IPO)による調達額が最大300億ドルになる可能性があると伝わったことで買いが優勢となりました。

東証2部市場では東芝(6502)が一時5.0%高まで上昇しました。グループ会社で半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が10月にも東京証券取引所に上場すると伝わったことで買われました。上げ幅を縮め引けは2.1%高となっています。

ジャスダック市場では大戸屋ホールディングス(2705)が9.4%高と急伸となりました。大戸屋ホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施しているコロワイド(7616)が25日が最終日だったTOBの期限を9月8日まで延長し、TOB成立の条件も引き下げると発表したことで買いを集めました。

一方でアサヒグループホールディングス(2502)が一時4.1%安まで下落する場面がありました。オーストラリア最大手のビール会社の買収で有利子負債が膨らんでいることから公募増資などで1575億円を調達すると発表したことで1株利益の希薄化や株式需給の悪化が懸念され売られました。引けは2.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場が高安まちまちとなり材料に乏しいなかで昨日に300円以上も上げた後ということもあって下落となりました。ただ、日経平均は20日に大きく下げ12日と13日に開けた窓を埋めると、翌日に切り返し昨日に14日に付けた高値(23,289円)を超えてきたことで先高期待も出ていることから下値は限定的でほぼ横ばいで取引を終えています。底堅さをみせたことで明日以降の展開に期待が膨らみますが、27日にジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え様子見となりやすいなかでさらに上値を切り上げるような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

なお、本日は引け後にリクルートホールディングス(6098)が第1四半期の決算を発表するほか、日本時間の21時30分には7月の米耐久財受注額が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )