米国企業初!アップル、2兆ドルの時価総額を達成

S&P500は先週火曜日の8月18日に3,389ポイントで、史上最高値を更新しました(その後S&P500は8月21日にも3,397ポイントとなり、再度史上最高値を更新しました。)。2月19日からほぼ6ヶ月振りのことで、この上げを牽引したのはアップル株(AAPL)です。同社の株は先週(8月17日週)1週間で8.2%上昇しましたが、S&P500の先週1週間の上昇分0.7%の6割がアップル1社の上げが貢献した計算となるそうです。今の米株市場の上げは「アップル・ラリー」と言っても良いでしょう。

そのアップル株ですが、先週(8月19日)米国企業として初めて2兆ドルの時価総額に達しました。アップルは7月末に予想を大きく上回る好決算を発表後、5対1の株式分割を発表しました。先週金曜日(8月21日)のアップルの株価は497.48ドルですから、5対1の株式分割後は100ドルくらいになりますが、米国株は1株から買えますので、約10,600円あればアップルの株主になれるようになります。投資家はアップルの株価が下がることで、買いやすくなることを見越し、アップル株を買うという投資行動にでています。

そしてこれは、目先に市場全体の行方に対し不安を持っている投資家心理の表れではないかと思います。先週発表された新規失業率申請は市場予想の92万件を上回り110万件を超えました。また、ニューヨーク連銀製造業景気指数の伸びも鈍化しはじめるなか、期待されている経済対策は未だ出てきていません。そういった中、成長が期待できるアップルの株に資金が集中して流れ込んでいるというのが今のマーケットの現状なのでしょう。

アップルが株式分割を発表した後、テスラ(TSLA)も4対1の株式分割を発表しており、連日株価は上昇、先週金曜日(8月21日)には史上最高値を更新しました。米国株には1株当たり1,000ドルを超える銘柄が多数ありますので、今後分割を発表する会社も増えるのではないかと思います。

リフォーム大手2社の株価も史上最高値を更新!

コロナ禍の世界で、多くの米国人は自宅のリフォームに精を出していることが確認されました。リフォーム大手のホーム・デポ(HD)とロウズ(LOW)は、先週予想を大きく上回る好決算を発表、両社の株価は史上最高値を更新しました。ホーム・デポによると、顧客の商品の購入件数、購入単価ともに増えているということです。

米国では、株価だけでなく、住宅価格も上昇しています。日本語ではリフォームと言いますが、英語ではホーム・インプルーブメントと言い、家の価値を高めるという意味です。家の値段が上がっている訳ですから、お金をかけてもそれは意味投資になりますね。

米国のヘッジファンドが保有している銘柄とは

米国のヘッジファンドの4-6月期末保有株リストが発表されています。RBC証券のf13の調査によると、米国のヘッジファンドは金額ベースで引き続きGAFA的な銘柄を大量保有していることがわかりました。ロビンフッターが買っているという報道もありますが、当然彼らだけでアップルやアマゾン(AMZN)のような大型株の株価を上げることは難しい訳です。
とは言っても、全てのヘッジファンドが、アップルやアマゾンなどを保有しているという訳でもないようです。

金額ベースでヘッジファンド・コミュニティに、最も大量に保有されているのは、アマゾンで291億ドルなのですが、それでもヘッジファンドの41%しか保有していません。2番目に保有残が多いのはマイクロソフト(MSFT)ですが、こちらもヘッジファンドの36%しか保有していません。 アップルに至っては18%しか持っていないのが現実です。

アップルが目立って上昇する中、彼らとしても自分たちのポートフォリオにアップル株を保有していないことはリスクになる訳です。アップル株が上がる中、彼らも仕方なく株価をチェイス(追いかけて)取引している可能性もあるのではないかと思います。