米国雇用統計、サプライズで250万人増加

金曜日の米国の雇用統計は、雇用者数の大幅減少を予想していた市場の期待とは裏腹に、250万人増加となり市場を驚かせました。今回発表となった雇用数は、統計が始まった1948年以来で月間最高の増加を記録しました。

失業率は13.3%と4月の14.7%から低下したものの、依然として歴史的にも高水準にあり、2月から比べて2000万人の雇用が失われたままであることには影響を受けず、先週金曜日の米株市場は大きく上昇しました。

先週1週間では、S&P500は4.9%、ダウ工業株指数は6.8%、ナスダック総合は3.4%の上げとなり、S&P500とダウ工業株指数はそれぞれ1週間で5月1ヵ月の上げ(4.5%、4.3%)を上回りました。

今まで米国株が上昇してきた理由としては、FRBによる十分過ぎる流動性の供給、米国政府による惜しみのない資金を使った経済対策があります。加えて、史上最高のMMFの残高があること、その一方、投資家のセンチメントはというと未だ株式の上昇に懐疑的な人が多いときています。
そんななか、今回米国政府の様々な経済対策の成果が、これほどすぐに表れていることをマーケットは好感しました。

ここ数年米株市場の上げを牽引してきたのは、アップル、アマゾン、マイクロソフトなどに代表されるグローバルIT企業でしたが、5月の半ばから相場の牽引役が増えてきたことがうかがえます。

図表は5月13日の米国株指数の上げの局面でS&P500、S&P500グロース指数とS&P500バリュー指数の推移を示したものです。

【図表】S&P500、S&P500バリュー指数とグロース指数(2020年5月13日~6月5日)
出所:ブルームバーグからマネックス証券作成

バリュー指数が上昇した理由

5月13日からS&P500は13.3%上昇しました。その間、S&P500グロース指数が10.8%上昇したのに対し、S&P500のバリュー指数は16.7%上昇と他指数を大きくアウトパフォームし、S&P500の上昇に貢献しています。

では、それぞれの指数の違いはと言いますと、グロース指数のセクターの上位を占めるのは、情報技術、一般消費財や通信等で、バリュー指数の方は、ヘルスケア、金融、生活必需品等となっています。

特に先週上昇した銘柄を見ていると、バリュー指数が上昇した訳が分かります。

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM: +14.3%)やバンク・オブ・アメリカ(BAC: +16.5%)などの銀行株、エクソン・モービル(XOM: +16.7%)、シェブロン(CVX: +9.9%)などの石油株、ボーイング(BA: +40.9%)、キャタピラ(CAT: +12.5%)などの資本財、デルタ航空(DAL: 35.5%)、サウスウエスト航空(LUV: 18.9%)、ユニオン・パシフィック(UNP: 8.8%)、CSX(CSX: 4.9%)、ノーフォーク・サザン(NSC: 9%)など輸送関係など。経済の回復で恩恵を受ける銘柄です。

これは市場のリーダーシップが変わったというより、市場の裾野が広がってきているという事であり、市場全体が上昇しやすくなってきているということが言えると思います。

6月8日20時より、米株市場のオンラインセミナーを行います。その時により詳しく解説しますので、お時間ある方は是非ご参加ください。