英ポンド/米ドル (1.2015〜1.2750)4月30日〜5月6日まで

アナリシス:

皆さま、こんにちは!2週間前の英ポンド/米ドルのレポートでは、世界のコロナ感染者数が200万人を超えたと記載しました。昨日(2020年4月29日)時点で感染者数は300万人を上回り、死者は21万人を超え、22万人に迫る勢いです。

しかしながら、欧米での感染者増加数が鈍化傾向にあることに加え、当面のゼロ金利政策と金融緩和が継続するとの発言がFOMC(米連邦公開市場委員会)におけるパウエル議長の記者会見でなされたことから、ダウS&P500は上昇となりました。これには米国ギリアド・サイエンシズがコロナに対する新薬の臨床試験で有効性が確認されたと発表したことや、航空会社関連、クルーズ関連の株が上昇したことも下支えの要因となっています。日経平均も本日(2020年4月30日)朝の時点で2万円台を超えてきていますので、当面はダウ、日経平均ともに回復基調と考えられます。

他方、欧州でも封鎖措置の段階的な緩和が発表されています。フランスは5月11日よりバー、レストラン、映画館、海水浴場を除く全ての店舗の営業が許可されます。保育所や学校も再開されますが、1クラスの人数は保育所で10人、学校は15人までとなるようです。

スペインはフェーズ0〜3の4段階に分けて実施し、6月末頃までに一定の制限を伴う形で社会活動を再開する方針を出しています。最終的なフェーズ3では全ての店舗が店内の人数を通常の50%に規制した上で開業できることを目標としており、どの段階においても社会的距離を保つ必要性を示しています。

英国では4月27日、ジョンソン首相が公務に完全復帰。演説では、感染拡大は減速に転じつつあるとしたうえで、これまでの国民の努力と犠牲を無駄にしないためには封鎖維持が重要であることを強調しました。またジョンソン首相のフィアンセが無事出産したとの報道もあり、コロナによるネガティブなニュースの中で、明るい話題も舞い込んでいます。

原油価格の下落で先週は英ポンド/米ドルも一時下落する場面が見られましたが、ここ5週間のボラティリティは低い状況にあります。

株価の上昇により、原油価格が1バレル20ドルを超える上昇を見せた際は、英ポンド/米ドルも上昇していく可能性大ですので、株価と原油価格をにらみながら、英ポンド/米ドルの買い場を探っていきたいところです。

日本はGWに入りましたから、急落などの動きには注意が必要です。通常であればGW期間中は東京時間での動きは限定的となるため、夕方以降からの相場参戦がおすすめです。

向こう1週間の重要指標です。

4月30日(木)
18:00 EUR・GDP速報値、消費者物価指数速報値
20:45 EUR・ECB政策金利
21:30 EUR・ラガルドECB総裁定例記者会見
21:30 米・個人消費支出、雇用コスト指数

5月 1日(金) 
8:50 日・日銀金融政策決定会合議事要旨
23:00 米・ISM製造業景況指数

5月 5日(火)
23:00 米・ISM非製造業景況指数

5月 6日(水)
21:15 米・ADP雇用統計

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。3月は長い下ヒゲを付けました。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。手が出しにくいチャート形状です。

日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。−2σにタッチした後、上昇しています。

最後に4時間足です。

【図表4】英ポンド/米ドル(4時間足)  
出所:筆者作成

トレンドレス上段。かなりバンドがスクイーズしています。1.2515付近、もしくは1.2640付近のレジスタンスラインのブレイクを意識していきたいところです。

上記の分析からエントリーポイントとして、

予想レンジ:1.2015~1.2750

買いをするなら
・1.2350~70で4時間足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。
・1.2270付近又は1.2220付近で4時間足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。
・1.2515を上にブレイクしたら短期足を使って順張りエントリー。
・1.2640を上にブレイクしたら短期足を使って順張りエントリー。
・1.2220付近で日足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。

売りをするなら
・1.2515近辺で4時間足トレンドレス逆張りエントリー。
・1.2630~60日足トレンドレス逆張りエントリー。
・1.2220を下にブレイクしたら短期足を使って順張りエントリー。