ポンドドル (1.20120~1.29100) 4月16日〜4月22日まで

アナリシス:

皆さま、こんにちは! 2週間前のレポートでは、WHOが数日間でコロナ感染者が100万人を超えると発表しました。2週間がたった本日、世界の感染者数は200万人を越え、倍速で感染者数が増えています。欧州でもロックダウンが延長され、感染者数や死者数に少し落ち着きが見られるものの、依然として予断を許さない状況です。

欧州で感染者が増えてきた当初、一気に相場が下落しました。しかし、金融マーケットというのは不思議なもので、その後も欧米で日々感染者や死者数が増えているにもかかわらず、マーケットは安定しました。各国の過去に類を見ない経済刺激策が行われたからです。
急騰、急落相場を作り上げる要素としてポイントとして、

・ファーストインプレッション(新しい出来事)
・市場にどれだけ良くも悪くも影響が及ぶか(インパクト)

の2点が少なくとも挙げられます。

「感染者数も死者数も倍増しているのだから、相場ももっとリスクオフになって下落してもおかしくないのでは?」とつい考えてしまうところがあると思います。

しかし、株価指数全般を見ても、アメリカの経済刺激策を好感してダウは今週24,000ドルまで上昇しました。

筆者が思うに、現在の為替市場参加者は今後の動向を待っている状況と言えます。

株価指数が急落してから戻してきているのは、実際に各企業の業績が良くなって株価が上昇したのではなく、欧米の経済刺激策のおかげです。足元の実体経済を見ると、コロナの影響によりアメリカの失業者数は最大で4,600万人になる可能性も示されています。

ここから金融市場が再度下落相場になるかどうかは、各国が打ち出した経済刺激策が有効な間に、コロナが収束するかにかかっていると言えるでしょう。

「経済刺激策では資本主義国の経済が維持されないのではないか…」との懸念が生じた場合には、再度下落相場に転じる可能性があります。

ですから、為替相場のみならず、株価・金・原油などの相場の動きも見ながら、マーケットを動かすきっかけに対し常にアンテナを張っておくことが大切です。

他方、英国の封鎖措置は3週間の延期を今日にも発表する見込みと同国各紙が報じています。産業分野ごとに段階的な再開の見通しも盛り込まれているようですが、完全に正常化するには数ヶ月かかる可能性が示唆されています。

現在のポンドの動きは限定的なことから、当面こちらも大きな動きになる可能性は低いと見ています。

向こう1週間の重要指標です。

4月16日(木)

15:00 独・消費者物価指数
21:30 米・新規失業保険申請件数

4月17日(金)

18:00 EUR・消費者物価指数
23:00 米・景気先行指標総合指数

4月21日(火)

17:30 英・失業率
18:00 EUR・ZEW景況感調査

4月22日(水)

15:00 英・消費者物価指数
23:00 EUR・消費者信頼感速報値

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。3月は長い下ヒゲを付けました。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。手を出しにくいチャート形状です。

日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。+2σにタッチせずに、やや下降しています。

次に4時間足です。

【図表4】英ポンド/米ドル(4時間足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。かなりバンドがスクイーズしています。この2週間でじり高でしたが、一旦下げてきています。


上記の分析からエントリーポイントとして、

予想レンジ:1.20120〜1.29100

買いをするなら
・1.24000~1.24200で4時間足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。
・1.26300を上にブレイクしたら短期足を使って順張りエントリー。
・1.22100付近で4時間足トレンドレス下段からの逆張りエントリー。

売りをするなら
・1.26300近辺で4時間足ダブルトップのトレ転エントリー。
・1.22100を下に割ったら短期足を使って順張りエントリー。
・1.2730~1.2760の日足+2σタッチトレンドレス上段から逆張りエントリー。