コロナ・ショック乱高下一息で、再注目
米ドル/円は、これまで何度か書いてきたように、2015年以降、値幅の狭小化が続いてきた。別の言い方をすると、上値が切り下がり、下値が切り上がる状況が続いてきたわけだ。それは、チャート的には「三角保ち合い」と呼ばれる(図表参照)。
【図表】米ドル/円の月足チャート(2015年~)
経験的に、三角保ち合いのブレークは一方向への大相場の始まりになることが多かった。ところが、今回の場合は2~3月にかけて同保ち合いを上方向に2回、下方向に1回ブレークしたものの、その後の一方向への動きは限られ、結果的にはいわゆる「ダマシ」となった。
ただ、上述の保ち合いブレークは、下方向は「コロナ・ショック」、そして上方向はそれに伴う「(コロナ・ショックという)超有事の米ドル買い」といった、ある意味で特殊需給が影響した可能性があった。
「コロナ・ショック」の金融市場の歴史的乱高下も少し落ち着く気配が出てきた。ではその関連の特殊需給の影響も限定的になってきたなら、改めて長期三角保ち合い放れ、下限106円程度、上限109.5円程度のブレークが一方向への動きになる可能性に注目してみたい。