月初安値で反発のパターン=米ドル/円
米ドル/円は3月2日107円前半まで下落したが、その後反発、108円台を回復するところとなった。これは相関性の高い株価が、米国中心に世界的に急反発したことに連れた面が大きかっただろう。ところで、その株価は当面の底を打った可能性が高いかもしれない。
3月2日の世界的株価反発の一因は、G7の緊急電話会議やいわゆる協調利下げへの期待だっただろう。これは、「恐怖指数」とされるVIX指数が40ポイント前後まで急騰する中での出来事だった(図表1参照)。
【図表1】「恐怖指数」VIX指数の推移(2007年~)
実は、このようにVIX指数が40ポイント前後まで急騰する中で、G7が緊急的に金融市場の安定化に動くのは、2011年8月8日、2010年5月9日など、これまでも何度かあったことだ。そしてそれに伴う株価反発は、まさに当面の底打ちを受けた動きとなることが多かった。
以上のように見ると、株価は世界的に当面の底を打った可能性があり、そうであればそれと相関性の高い米ドル/円も3月2日の107円前半で当面の底を打った可能性は注目される。
そもそも、今年に入ってからの米ドル/円は、月初に底打ち反発に転じるパターンを繰り返してきた(図表2参照)。1月は6日に安値を付けて反発、2月は3日が安値で反発となった。このパターンが今月も繰り返されるなら、3月2日が安値で反発に向かう見通しになる。
【図表2】米ドル/円の日足チャート(2020年1月~)
仮に、そのように米ドル/円が反発に向かうなら、最初のハードルは109円だろう。これは足元で120日MA(移動平均線)が位置する水準だ(図表3参照)。120日MAは、投機筋の売買転換点とおおむね重なる。その意味では、109円までは投機筋は戻り売りに動く可能性があるだろう。それをこなせるかが、米ドル/円反発の最初のハードルになりそうだ。
【図表3】米ドル/円と120日MA (2019年1月~)