英ポンド/米ドル (1.2545〜1.3360)  2月6日〜2月13日まで

アナリシス: 

皆さま、こんにちは!新型コロナウイルスの影響で相場はリスクオフの動きとなっておりましたが、今週に入って米国の株価が持ち直し、米ドル/円も買い方向に動いています。続いて、英ポンド/米ドルもドル買いの動きで日足でも安値圏を推移しています。

1月31日に正式に英国がEUから離脱しました。今後、新たな貿易関係を築く必要があり、どのような交渉を英国側とEU側でなされていくのか注目すべきところとなります。

キーワードは「カナダ型」です。

ジョンソン首相は2月3日、EU・カナダ間の包括的経済貿易協定(CETA)をモデルとした「カナダ型」の自由貿易協定を目指す方針を打ち出しました。EUルールに従うことは一切拒否すると明言。これが実現しなければ交渉打ち切りも辞さないと表明しています。立場が変わり、EUのバルニエ首席交渉官は、英国のEU市場へのアクセスはEUルールへの準拠が条件になると、あらためて強調しています。

ジョンソン首相はこの日の演説で、EU市場への完全なアクセスを得る代わりにEUのルールや裁判所に従うノルウェー型よりも、「市場を開放しつつEUルールの完全適用を避けるカナダ型」に近い自由貿易協定を目指すと話しました。

また「万一、これが実現しなければ、EUとの既存の離脱協定に基づいて貿易を行う必要がある」と述べ、合意の有無ではなく、カナダ型か限定的なパートナーシップの枠組みに基づくオーストラリア型かの選択になるとしています。

同首相はさらに、「競争政策、補助金、社会保護、環境」などについて、英国がEUルールを一方的に守ることも拒否し、EUも英国のルールを受け入れるべきだと訴えました。安全保障や市民の権利保護については、互いの自治を犯さない範囲での実務的な合意を目指すとしています。詳しくはここでは述べませんが、他にも漁業権についても双方の意見がぶつかる部分があります。

1月31日の離脱を迎えた今週の頭ではポンドは下に窓あきを見せ、そのまま下降しています。今後のEUとの交渉や、英国がどのような選択をするかにより、ポンドが大幅下落にならないか注視する必要があります。

向こう1週間の重要指標です。

7日(金)
22:30 米・雇用統計

11日(火)
18:30 英・GDP速報値

12日(水)
24:00 米・パウエルFRB議長発言

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。どちらかというと下げ方向。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。ミドルを下に割ったら-1σまで下げることは充分にできます。

日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。下段のサポートラインを下に割ったら、1.27770まで下落する可能性が高いと見ます。

【図表4】英ポンド/米ドル(4時間足)
出所:筆者作成

4時間ベースのサポートライン認識はとてもむずかしい状況です。1.2984が早期のブレイクラインとなります。

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:1.2545〜1.3360

メインストラテジー:

買いをするなら
・1.2920〜1.2940で日足トレンドレス下段から逆張りエントリー
・1.2770まで落ちてきたら日足逆張りエントリー
・1.3260を上にブレイクしたら短期足を使って順張り押し目からエントリー

売りをするなら
・1.3260近辺もしくは日足+2σ付近の日足トレンドレス上段で逆張りエントリー
・1.2980ラインを下にブレイクしたら短期足を使って順張り戻り目からエントリー