東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は163円高の2万3379円と反発しました。TOPIXやJPX日経400なども上昇しましたが、東証2部指数やマザーズ指数は下落しました。前日の米国市場が上昇したことを受けて、日経平均は93円高の2万3309円と反発して寄り付きました。一時マイナスに転じる場面も見られたものの、持ち直して堅調に推移した日経平均は109円高の2万3325円で前場を終えました。後場に入ってからもじりじりと上げ幅を広げた日経平均は14時過ぎに176円高で高値をつけ、結局163円高の2万3379円で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9685億円でした。東証33業種は全て上昇しました。中でも海運業が2.7%上昇したほか、鉱業や証券商品先物、ゴム製品が1%以上上昇しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.2%上昇したほか、ファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、任天堂(7974)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)が上昇しました。一方で村田製作所(6981)や資生堂(4911)、アドバンテスト(6857)は下落しました。中でもアドバンテストやアンリツ(6754)など一部の5G関連銘柄は、28日に米半導体大手のザイリンクス(XLNX)が2020年1~3月期売上高の見通しについて5G関連需要の減速などを理由に弱気の姿勢を示したことを受けて売られました。
その他材料が出たところでは、本日お昼過ぎに2019年12月期決算と12億円を上限とした自社株買いを発表したモバイルファクトリー(3912)が9.1%上昇しました。2019年12月期の営業利益が前年同期比で31%増益となるなど増収増益で着地したことに加え、今期も大幅な増益予想を発表したことが好感されたとみられます。また、28日に2019年4~12月期決算を発表したエムスリー(2413)は、主力のメディカルプラットフォーム事業が好調に推移していることなどが好感されて2.7%高と5営業日ぶりに反発しました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日本市場は、米国市場が反発したことや前日までの下落の反動などから上昇しました。新型肺炎の感染拡大について「米政府は米中間の航空機運航の全面停止を検討していたがそれを見送る方針だ」と報じられたことで、米政府の新型肺炎に対する評価が市場の想定よりも深刻でないと受け止められたことも買い材料となったようです。本日は引け後にNEC(6701)やアドバンテスト、ファナック(6954)、キヤノン(7751)などが決算を発表しており、結果を受けたマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部)