新型コロナウィルスによる肺炎の蔓延は一段と深刻さを増しており、週明けの東京市場は下値模索の展開となりそうだ。中国政府はすべての団体旅行を中止する命令を出した。これにより特にインバウンド関連銘柄中心に売りがかさみそうだ。タイミング悪くオリエンタルランドの業績観測報道が日曜日の日経1面で報じられた。影響を注視したい。
下値の目処は2万3500円辺りか。一目均衡表の雲の上限がその辺りの水準に上がってくる。年初、米国とイランの対立の緊張から急落したときもザラ場安値が一目均衡表の雲の中にかかったところで下げ止まっている。移動平均で見ると75日線手前で止まっている。こうしたことから今回も2万3000円台半ばがひとつの下値目処となろう。日経平均は昨年11月に2万3000円台を回復して以降、取引時間中にここを割り込むことはあっても終値では下回っていない。2万3000円に接近するような深押しが今後あれば押し目買いの好機であろう。
米国株は4日続落。ダウ平均の4日続落は2019年8月前半以来、5カ月半ぶりだが、逆に言えばある程度調整は入ったということだ。米国では28日のアップルや29日のフェイスブック、マイクロソフト、30日のアマゾン・ドット・コム、31日のキャタピラーなどいよいよ主要どころの決算発表が目白押しとなる。もともと米国株のトレンドは強いので、これらの決算をきっかけに再び高値更新、ダウ平均3万ドル達成ということもあり得ない話ではない。新型肺炎の報道であまり目線を下げ過ぎると、米国株の反発で逆に持って行かれることもあるだろう。
日本でも2019年4~12月期の決算発表が今週から本格化する。28日の信越化学(4063)、29日のNEC(6701)、ファナック(6954)、アドバンテスト(6857)、30日の富士通(6702)、東京エレクトロン(8035)、NTTドコモ(9437)、31日のTDK(6762)、KDDI(9433)などが注目か。
新型肺炎の報道でリスクオフに傾きやすいが、日米とも業績に目を向けたい時期だ。日本電産(6594)は2度目の下方修正やEV用モーターの立ち上がりが思わしくないことなどから売られたが、営業利益が四半期ベースで5四半期ぶりに増益に転じたことはもっと評価されてよいだろう。このようなパターンで業績の底入れ感が広がっていくかが今回の決算発表の見所である。
日経平均の予想レンジは2万3500円~2万4000円とする。